研究課題/領域番号 |
14550682
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩本 知広 東京大学, 工学部附属総合試験所, 助手 (60311635)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 高分解能電子顕微鏡 / その場観察 / 窒化ガリウム / 窒化ボロン / 窒化ケイ素 / 反応性ぬれ |
研究概要 |
本研究では、高解像度で画像をAD変換し、高精度でデジタル画像を制御出来るシステムを構築し、実際の観察でその有用性を確認した。構築したシステムでは、その場観察の画像はすべてデジタルで直接記録し、それをコンピュータ上で1フレーム毎に解析するようにした。これにより記録時やその後の画像処理における画像の劣化やノイズが抑えられた。GaNを用いて、本システムの点分解能とコントラストの確認を行った結果、N原子の非常に弱いコントラストにも関わらず、画像処理により0.113nmの点分解能が必要なGaNの原子像を結像できることが分かった。このシステムを用いた実用材料に対するその場観察実験では、BN膜の特異的力学的挙動の研究や、反応性ぬれ先端の反応相生成機構、窒化ケイ素の破壊現象等を原子レベルで明らかにした。 ICP-CVDで作成したtBN膜に対する研究では、電子顕微鏡内のその場観察から、膜に応力を加えても膜は非常に大きく変形するだけで破壊しない、という極めて特異な力学的性質をtBNが有することを明らかにした。また、反応性ぬれへの応用では、ぬれ広がる溶融合金先端で稠密面のlayer by layerの成長様式により反応相が生成しているのを見いだし、また、ぬれ速度の違いによってその成長様式が変化することが明らかになった。他方、セラミックスの粒界破壊機構の解析への応用では、窒化ケイ素の粒界破壊では、破面は粒界層と結品粒の境界を進むことが明らかになり、さらにこれはダングリングボンドの数に関係していることが判明した。粒内破壊においても、ボンドの数が少ない領域をクラックが進行することが分かった。
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