研究課題/領域番号 |
14550699
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
材料加工・処理
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
佐治 哲夫 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (60142262)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 複合皮膜 / シリコンカーバイト / ダイヤモンド / ニッケル / 耐磨耗性 / B4C / 硬度 / 耐摩耗性 / シリコンガーバイト / 対磨耗性 |
研究概要 |
アゾベンゼン修飾カチオン性界面活性剤(AZTAB)を用いて種々のセラミックス微粒子をニッケルめっき浴に分散し、定電流電解によりニッケルイオンの還元と同時にAZTABを還元して分散能を失わせる方法により、これらの微粒子の含有率の高いニッケルとセラミックスの複合皮膜の作成に成功している。得られた複合皮膜におけるセラミックス微粒子の含有率はシリコンカーバイトで約60%、ダイヤモンドで約58%、B4Cで約45%あった。一方、酸化還元不活性な界面活性剤を用いた場合、シリコンカーバイトで30%以下、ダイヤモンドで20%以下、B4Cで9%であった。このように酸化還元活性な界面活性剤を用いることにより含有率の高い複合皮膜が得られた理由は、アゾベンゼン修飾カチオン性界面活性剤では、Niイオンの還元と一緒に界面活性剤が還元され、粒子表面から界面活性剤が脱着し、粒子が基板表面で析出するため、ニッケルマトリックスへの取り込みが容易になることに起因すると考えられた。得られた複合皮膜のビッカーズの硬度は粒子の含有率とともに増加し、Ni/ダイヤモンドで最大1000Hv、Ni/B4Cで800Hvであった。これらの値はニッケル硬度(200)および既に報告されている酸化還元不活性な界面活性剤を用いて作成された複合皮膜の硬度に比べ大幅に大きかった。また、これらの皮膜の耐摩耗性も微粒子の含有率とともに大幅に向上した。これらの実験結果より、還元により分散能が失われる界面活性剤を用いることにより含有率が高く、機械的物性の良いNi/セラミックス複合皮膜を容易に作成できることが明らかとなった。
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