研究概要 |
組成巾の広い不定比性を持つB2型、およびAlB_2型の金属間化合物について起電力法により活量を測定することを目的とする。安定化ジルコニアあるいは蛍石を固体電解質として酸素あるいはフッ素濃淡電池を構成して、その起電力を測定し、1.B2型金属間化合物のCoGa相に微量の元素Sb, Ge, Feを添加してそれらがGaの活量をどのように変化させるか、2.B2型化合物固溶体CoAl-NiAlの中のAlの活量の組成依存性がどのようになるか、3.Ga_2Nd,およびGa_2La中のNdあるいはLaの活量の組成依存性を調べた。従来の実験方法が適正でない部分については、筆者らが改良した方法を採用している。得られた結果は次のとおりである。 1.CoGa相:CoとGaの比が1:1を境にGaの高濃度側で活量が大きく上昇し、筆者らのオリジナルの測定結果が再現できた。Sb添加は活量を大きくする。2モル%と3モル%の添加効果はほぼ同じである。Ge添加はその量とともに活量は増加するが高Ga側では2%より多い添加により、活量の増加率が増す。1%の鉄添加は高Co側では活量を上げ高Ga側では下げるが、3%添加では全組成で活量を増加させる。これらは格子欠陥モデルの推測を可能にする格子定数の測定結果とよく対応している。 2.COAl-NiAl化合物固溶体の活量はフッ素分圧を固定するために、CaF_2+CaAlF_5の添加が必要であることがわかった。CoAlからNiAlまで活量は組成増加とともに滑らかに増加し、その変化は格子定数の組成依存性とよい対応を示している。 3.Mn, MnF_2を参照極としてx_<Nd>=0.206-0.309,x_<La>=0.212-0.343の範囲で活量を測定した。700Kで10^<-14>〜10^<-11>(Ga_2Nd)900Kで10^<-11>〜10^<-9>(Ga_2Nd)が得られたが,LaGa_2についてはセルの安定性を検討する必要があると思われる。
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