研究課題/領域番号 |
14550727
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属生産工学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
河原 正泰 熊本大学, 工学部, 教授 (60145282)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 焼却灰 / 溶融処理 / スラグ / 溶融飛灰 / 鉛 / 重金属 / 塩酸浸出 / 硫酸浸出 / 砒素 |
研究概要 |
各種の焼却灰を溶融してスラグ化し、これらスラグからの重金属の溶出性を調査した。また、スラグの成分調整を行ない、スラグ組成と重金属の溶出濃度の関係を検討した。焼却灰のままでは鉛の溶出濃度が高かったものも、溶融処理してスラグ化することにより、一般に鉛の溶出濃度は低下した。但し、砒素の溶出濃度は、溶融処理により高くなるものもあった。また、スラグからの溶出濃度が環境基準を超える元素は、ほとんどの場合、鉛であった。スラグを成分調整すると、いずれもシリカ量の増加と共に重金属の溶出濃度は低下した。これは、シリカの増加により、重金属イオンがシリカのネットワークに組み込まれるためと推察される。ライムの量が多いスラグは、一般的に重金属の溶出濃度が高くなった。但し、シリカ量が少なく、結晶化したものでは、鉛の溶出濃度が低いものもあった。なお、スラグを高温保持して結晶化させると、鉛の溶出濃度が低下した。これらの溶出濃度の変化は、スラグの構造と密接に関係していると推察される。溶融飛灰を塩酸および硫酸を用いて浸出し,各元素の浸出率と飛灰組成との関係を検討して、次の結果を得た。飛灰捕集時に消石灰を吹き込んで捕集した石灰量の多い飛灰は、金属元素を浸出させるために必要な酸の量が多く、アルカリ成分を吹き込まずに捕集した飛灰は、必要な酸の量が少なかった。これは、浸出に用いる酸がアルカリによって中和され、特に石灰が多い飛灰では、金属元素の浸出に有効に作用しないためと思われる。溶融飛灰を塩酸で浸出すると、飛灰中の亜鉛、鉛、銅といった金属元素を比較的短時間でほぼ完全に浸出できることができた。一方、硫酸浸出では、鉛はほとんど浸出されなかった。鉄の浸出率は酸濃度と浸出温度の影響を強く受け、薄い酸による低温浸出では、鉄はほとんど浸出されなかった。一方、亜鉛は、比較的薄い酸を用いた低温浸出でも、かなりの割合浸出された。飛灰を塩酸浸出した溶液を中和することにより先ず鉄が沈澱し、その後のセメンテーションで、鉛、銅が回収できることが分かった。
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