研究課題/領域番号 |
14550749
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
反応・分離工学
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
松山 秀人 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (50181798)
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研究分担者 |
金森 敏幸 産業技術総合研究所, 物質プロセス研究部門, 主任研究官
久保田 昇 旭化成(株), 富士機能膜工場, 開発課長
寺本 正明 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (60026086)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 熱誘起相分離 / ポリエチレン / 多孔膜 / 非対称性構造 / スピノダール分解 / 光散乱 / 熱誘起相分離法 / 中空糸膜 / スピノーダル分解 |
研究概要 |
1.ポリエチレン多孔膜の膜構造に及ぼす溶媒抽出と乾燥条件の影響 10種類の抽出溶媒と2種類の乾燥方法(凍結乾燥と空気乾燥)を用いた。抽出溶媒の溶解度パラメーター、表面張力および沸点を用いて膜特性の相関を試みた。乾燥後の膜サイズは、溶解度パラメーターについては相関は認められなかったが、表面張力が増すほど、また沸点が増すほど一様に低下する傾向を示した。 2.熱誘起相分離法によるエチレン-ビニルアルコール共重合体多孔膜の作製における熱力学的及び動力学的検討 EVOHのエチレンコンテントが増すほど、液-液相分離の境界(binodal線)は高温側にシフトすることがわかった。エチレンコンテントが32や44mol%の場合には液-液相分離がEVOHの結晶化の前に起こるためセルラー構造の多孔膜が得られた。逆に27mol%の場合は、結晶化に由来する粒子となることを示した。 3.ポリエチレンおよびエチレン-ビニルアルコール共重合体中空糸多孔膜の作製 ポリエチレン中空糸膜の作製においては、溶媒としてジイソデシルフタレート(DIDP)および流動パラフィン(LP)を用いた。DIDP系では液-液相分離が起こるものの、LP系では高分子の結晶のみが起こることがわかった。すべての場合に外表面付近で孔径が小さく、内表面付近で大きいという非対称性構造が得られた。また、EVOH中空糸膜ではエチレンコンテントが増すほど孔径は増加するものの、孔の連結性が極端に低下し、その結果透水性も一様に減少した。 4.高分子濃度勾配に基づく非対称性膜の作製と構造成長のシミュレーション 濃度勾配形成下においてCahn-Hilliardモデル式を解くことにより、スピノダール分解による相分離過程のシミュレーションを行った。得られた非対称性構造における平均孔径やスキン層厚みに関して、実験結果とシミュレーション結果は概ね一致することがわかった。
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