研究課題/領域番号 |
14550774
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物・生体工学
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研究機関 | 北九州工業高等専門学校 |
研究代表者 |
畑中 千秋 北九州工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (80180884)
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研究分担者 |
井手 俊輔 北九州工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (10041550)
後藤 宗治 北九州工業高等専門学校, その他部局等, 助教授 (40259966)
水野 康平 北九州工業高等専門学校, その他部局等, 助教授 (80342583)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 環境安全工学 / 水処理 / 脱窒 / 硝酸 / 中空糸 / バイオリアクター / ポリスルフォン |
研究概要 |
菌体固定化用エレメントとして表面をPVAで親水化したPVA-PSA中空糸(1mmφ×965mmL、細孔径0.1μm、中空糸本数130本、(株)クラレ製)を用い、8%PVA溶液に脱窒菌(Paracoccus denitrificans)を分散させたスラリー中に浸漬することによって菌体を薄膜状に固定化した。中空糸担体は親水性であるため細孔内は水で満たされており、その表面張力は0.1μmの場合、28atmに達することがわかった。すなわち、中空糸内圧を10atm程度まで高めることが可能であり、菌体の存在する中空糸表面の圧力(大気圧)との差を大きく取ることが可能である。これによって、水に溶解しにくい水素ガスの水中での推進力を高めることができ、脱窒反応の高効率化が達成された。続いて、中空糸外側に20ppmの硝酸を含む人工排水を通液し、中空糸内部には還元に必要な水素供与体として0〜5atmの範囲で水素ガスを供給し、硝酸を連続的に窒素ガスへと還元する脱窒リアクターを製作した。中空糸内圧と外部供給量を変化させたときの脱窒速度への影響について検討した結果、中空糸内部圧力を高めることにより、中空糸表面への水素の総括移動容量係数を高めることが可能となり、少ない水素供給量で高い脱窒速度が得られた。内圧0.5atm、水素供給量20ml/minの場合、385mg-N/m^2・hの脱窒速度が達成された。本研究は飲用水を目的としているため、添加する無機イオンの濃度を最小限に抑える必要がある。水素酸化バクテリアの脱窒には微量元素が重要であり、特にリン濃度の脱窒速度に及ぼす影響について検討したところ、0.5mg/L程度のリンは必須であるが、それ以上では原水リン濃度に依存せず、脱窒速度、脱窒率ともに一定となった。すなわち、リン濃度は0.5mg/L程度で十分であることが確認できた。リン濃度を0.5mg/Lとした場合、脱窒速度の硝酸性窒素濃度の依存性について検討した結果、2.5から20mg-N/Lの範囲内ではr=52.2C^<0.79>(r:脱窒速度[mg-N/m^2・h]、C:硝酸性窒素濃度[mg-N/L])で近似されることがわかり、また20mg-N/L以上では濃度に依らず脱窒速度は600mg-N/m^2・hで一定となった。
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