研究課題/領域番号 |
14550820
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
池田 博 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (70201910)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | シクロデキストリン / 超分子 / 活性調節 / アロステリック / 液膜輸送 / 水素結合 / ドラッグデリバリ |
研究概要 |
特定の分子と強く結合するばかりでなく、目的の場所で結合していた分子を速やかに放出できることが物質輸送システムを構築する上で重要であり、この機能は、薬物を輸送するドラッグ・デリバリ・システムには不可欠な機能である。そこで、協同作用により基質結合能を強化するばかりでなく、周囲の環境変化にシンクロナイズさせてその協同作用強度を変化させることが可能な官能基を導入した機能性ホスト分子を構築し、特定の分子と強く結合するばかりでなく、目的の場所で結合していた分子を速やかに放出できる効率的な物質輸送システムを構築することが本研究の目的である。シクロデキストリン(CD)の1級水酸基側を疎水化した後に、2級水酸基側でCDを二量化することにより液膜輸送を効率よく行うためのキャリアー分子を合成した。得られたキャリアー分子を使って、糖類を2つの水層に挟まれた疎水的な有機液膜を通過させる液膜輸送実験を行った。親水性の高い糖類は有機液膜を通過できないが、今回合成したキャリアー分子を液膜に存在させておくことにより、効率的な液膜輸送が可能となった。これは、CDの2級水酸基側の水素結合が、有機液膜内と水層/有機液膜界面で、ON/OFFをすることにより、糖類を包接・放出し、効率の良い液膜輸送が可能になったためと考えられる。そこで、CDの2級水酸基側の水素結合能を^1H-NMRを利用することにより詳細に解析した。3位の水酸基水素は隣接するグルコース残基の2位の水酸基酸素と水素結合をしていることが分かった。この結果からCDダイマー(2)は、糖類と2位の水酸基水素との間で水素結合をして結合していると思われる。そこで、水素結合を強固にするために2位の水酸基の位置に官能基を導入たさらに効果的なキャリアー分子の構築も行った。
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