研究概要 |
1)2,6-ヒドロキシナフタレンの塩化鉄による酸化カップリング重合が無溶媒で効率よく進行し、ポリ(2,6-ヒドロキシ-L5-ナフチレン)が得られることを見出した。このとき、各種アミン、特にベンジルアミンと2,6-ヒドロキシナフタレンの共結晶をあらかじめ調整し、それを重合させると重合の促進と高分子量体(〜1万)の生成が認められた。 2)dl-1,3-ビス(ヒドロキシフェニルメチル)ベンゼンの結晶に酸触媒を加え、メノウ乳鉢ですり合せた後に無溶媒下で加熱した結果、融点以下の温度で白色総末状態を保ったまま脱水重縮合が進行し、対応するポリエーテル(分子量数万)が得られることを見出した。メソ体は、ラセミ体に比べて低い温度で重合するものの、生成するポリマーの分子量は数千と小さく、ジアステレオマー間で重合挙動に大きな差が見られた。各種のアレンジメタノール誘導体も同様の重合を行い、モノマーの構造によっては酸触媒無しで重合が進行した。 3)天然の各種単糖や二糖について、触媒量のりん酸を加え融点以下の温度(80-120℃)で加熱すると、粉末状態を保ったまま脱水重縮合が進行し、樹状多分岐糖鎖高分子(転化率、Mw=1400〜19000)が得られることを見出した。さらに、フッ化糖については、触媒なしで加熱(110-160℃)のみによって固相で重合することが判明した(転化率=40〜95%、Mw=1400〜20000)。 4)各種シランジオール、シロキサンジオールに酸触媒や塩基触蝶を無溶媒で作用させると、環状オリゴシロキサンや鎖状のポリシロキサンが得られることを見出した。興味深いことに、単独重合ではオリゴマーしか生成しないシランジオールが、共重合させると分子量数万のポリシロキサンを生成することが判った。また、ジシロキサンジオールからは最大で重量平均分子量50万程度の高分子量ポリシロキサンが生成した。
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