研究課題/領域番号 |
14550847
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
高分子構造物性(含繊維)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
辻 正樹 京都大学, 化学研究所, 助教授 (60172003)
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研究分担者 |
河原 豊 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教授 (10303934)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ポリエチレンテレクタレート / ポリエチレンナフタレート / ポリブチレンテレフタレート / 電子顕微鏡 / 電子回折 / 暗視野像 / 配向結晶化 / シシカバブ構造 / ポリエチレンテレフタレート / ポリマーブレンド / 電子回析 / ポリエチレンテレナフタレート / 原子間力顕微鏡 / 廃向結晶化 |
研究概要 |
PET、PEN(ポリエチレンナフタレート)およびPET/PENブレンドの高速紡糸繊維に対して、これらが有する物性の発現機構の解明に直結し得る構造解析手法の確立を目指した。 1.表面エッチング法とSEM・AFM法との組み合わせにより高速紡糸繊維の表面観察を、また、溶融物に「ずり歪み」を与えることにより作製した一軸配向薄膜のTEM観察を行った。(1)アルカリエッチングしたPEN繊維のSEM観察から、4km/分を境に高紡糸速度側でのフィブリル構造の形成が、さらに、数百nmオーダーの「網目構造」が確認された。フィブリルのAFM観察により、積層ラメラ様の構造が確認された。(2)一軸配向PEN薄膜の電子回折(ED)は高度な一軸配向性を示し、高速紡糸繊維の広角X線回折(XD)との良い一致から、モデル薄膜として適当であると考えた。PET薄膜でも、EDと高速紡糸繊維のXDとの良い一致が確認された。(3)PET/PENブレンドでは、試料作製の工夫によってエステル交換反応を抑制し配向薄膜を得た。各成分の結晶反射が混在した高度な一軸配向性を示すEDが得られた。暗視野像から、PENは一軸配向下でもラメラ晶を形成し、その傾向はPETよりも強いことが分かった。PET成分の増加によりモルフォロジーがPEN型からPET型に変わること、PETの混入によってPENのラメラ形成が阻害されること、逆にPENによってPETの結晶化が抑制されることが分かった。 2.PBT(ポリブチレンテレフタレート)配向薄膜を作製しTEM観察した。EDはα型結晶のアーク状反射のみから成るやや低い一軸配向性を示したが、PENよりも明瞭な積層ラメラ構造が観察された。これらの積層ラメラはシシカバブ構造を形成していると結論した。PBTを含めて、すべての配向薄膜のTEM観察結果に基づいて、一歩踏み込んだ「シシカバブ構造モデル」を提案した。
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