配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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研究概要 |
ブンタン半数体の雄性配偶子の稔性回復機構や雌性配偶子の形成過程を明らかにするために,半数体の雄性および雌性配偶子における減数分裂について詳細な細胞遺伝学的解析を行い,その形成過程を調査した. 半数体における減数分裂過程を調査した結果,半数体は連続した2回の分裂を行っていた.しかしながら,一部の分裂細胞では減数分裂の異常が認められた.第一分裂後期においていくつかの一価染色体が両極に分配されず,赤道面付近に残るものや周りの細胞が第二減数分裂過程にもかかわらず,赤道面に9個の一価染色体が並列し,両極に分裂するものが観察された.さらに,花粉四分子期において,‘晩白柚'では99.3%が四分子であったのに対し,半数体では、一分子から六分子の小胞子型が観察され,二分子が24.7%と,非常に高い頻度で出現していた.一方,雌性器官では,雌ずいの中心部で花柱溝同士が結合しでおり,花粉管の伸長が阻害されでいた.また,雌性配偶子形成では,胚のう母細胞が全く形成されないため,いずれの時期においても正常に発達した胚のうは全く観察されなかった. 以上の結果より,ブンタン半数体の雄性および雌性配偶子形成において,雄性配偶子は第一減数分裂中に異常が起こり,すなわちFDRのような退行現象が起こり,半数体の稔性を回復しているものと推測された.また,半数体の雌性不稔の原因として,雌ずい中の花柱溝の異常と胚のう母細胞の無形成によることが明らかとなった.
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