研究概要 |
土壌生態系の窒素循環において硝化菌(アンモニア酸化菌と亜硝酸酸化菌)は重要な機能を担っている。最近の報告は土壌中に複数種のアンモニア酸化菌が存在していることを示している。しかし、土壌中の個々のアンモニア酸化菌種の菌数は不明である。本研究では、まず茶園土壌におけるアンモニア酸化菌の多様性をPCR-DGGE法により分析した。また、茶園土壌から複数種のアンモニア酸化菌を分離しその特徴を明らかにした。さらに分離したアンモニア酸化菌を用いてリアルタイムPCRによるアンモニア酸化菌の菌数測定法を検討した。 1)PCR-DGGEにより、茶園土壌には3属6種以上のアンモニア酸化菌が生息することが示された。特に強酸性土壌にはγプロテオバクテリアに属するアンモニア酸化菌、Nitrosococcusが生息することが示された。 2)茶園土壌からNitrosomonas sp. TNE100,Nitrosospira sp. TNL100,TNL200,TNL300,Nitrosococcus sp. TAO100,以上3属5種のアンモニア酸化菌を分離した。これらの形態、増殖速度などの分類学的特徴を明らかにした。 3)TaqManプローブ・リアルタイムPCR法によりアンモニア酸化菌の菌数測定法を検討した。Nitrosomonasに特異的なプライマーを設計し1000個以上の菌数を計数した。Nitrosospiraに特異的なプライマーを設計し1000個以上の菌数測定を可能にした。
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