配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2004年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
現在までの所、水深150m以深で採集された種類は、ギンザメ科2種,トラザメ科3種,カグラザメ科1種,カラスザメ科3種,アイザメ科4種,オンデンザメ科2種,ツノザメ科4種,ヨロイザメ科1種,カスザメ科1種の合計21種であった。この他漁船や遊漁船からは、ホシザメ、シロザメおよびドチザメの標本の提供を受けた。 神奈川県水産総合研究センター所属船江の島丸の混獲だけに限れば、3年間の捕獲総数442尾のうち、最も多獲されたのはフトツノザメで、全体の69%を占めた。次に多かったのがギンザメとニホンヤモリザメで、それぞれ全体の6.1%であった。4番目に多かったのがフジクジラで,3.8%であり、他の軟骨魚類は5%以下であった。数の多かったフトツノザメの捕獲水深は150-550mで、多獲水深は300-400mであった。水深別のCPUEには季節的な変化がみられ、春期と夏期の多獲水深は秋季よりは浅く、垂直移動をしている可能性が示唆された。冬季には相模湾の沿岸よりの海域からは捕獲がないのに対し、東京湾口に位置する沖の瀬では遊漁船により捕獲された。雌雄や成熟段階でも漁獲水域や漁獲水深が異なる傾向が見られた。フトツノザメの食性解析と漁獲試料の解析から、本種が相模湾のおける重要底生魚種であるギス及びトウジンを食害していることが判明した。また、相模湾内で海域別に食性解析を行ったところ、大きな違いは認められず、本種が他の海域同様魚食性月背負子とが明らかとなった。ツノザメ属とニホンヤモリなどの安定同位対比を分析したところ、成長によりC-Nマップが変化する傾向が見られた。フトツノザメの年齢形質として、第2背鰭棘の表面エナメル質にみられる輪紋と棘断面の輪紋を比較したところ、本質的に差は認められないが、表面エナメル質は摩耗や欠損が生じるため、棘断面の輪紋に基づく年齢査定が正確であることが判明した。また、年輪としての証明にも断面の明帯と暗帯の出現率が有効と判定された。
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