研究課題
基盤研究(C)
1.本研究は、国土地理院発行5万分の1地形図の発行年別比較により、戦後日本における消滅集落を抽出したデータベースを基盤としている。そのうち施設立地あるいは廃鉱などの特殊要因で消滅した集落以外の、(すなわち一般要因型消滅集落と分類したものに対し)地理的諸条件データを作成した。2.内発型の消滅集落に限定し、消滅理由(MA)にもとづき消滅理由型(1)〜(8)に分類すると、その全国分布図が得られた(報告書、図-2)。(1)自然型、(4)自然+職業型、(5)自然+生活型、(7)自然+職業+生活型は自然系要因である積雪を反映して、日本海側の積雪地域に分布する度合いが大きい。いっぽう(2)職業型(3)生活型(6)職業+生活型はそれとは対照的に西南日本の太平洋側を中心として分布する。3.消滅集落型について、消滅集落と所属する市町村役場の空間的関係を分析した。それによると、上で述べた、西南日本の太平洋側を中心とする領域に分布する(2)職業型(3)生活型(6)職業+生活型の相違点は、(2)職業型(6)職業+生活型は、(3)生活型に比べ標高差・役場距離の相対的に大きい集落であるという点であった。4.地域グループとおもな消滅理由型を組み合わせて類型化し、地理的諸条件の関係を統計的に分析した。それぞれの地理的特徴を述べると以下のようになる。北海道グループでは、北*自然、北*職業がおもな群であり、前者は積雪の影響を受けつつ稲作に依拠していた比率が相対的に高く、かつて開拓者村だったものが多い。後者は職業的な困難が主で、林業に依拠していた比率が高く、開拓者村と営林業務拠点であったものが多い。集落規模も全国一大きい。日本海グループでは積雪の影響を強く受け、炭焼きに関係していた比率が高い。日*自然、日*自然+職業がおもな群であり、この両者はかなり類似した地理的特徴をもっている。西南日本グループでは職業上の困難をあげる西*職業と生活上の困難をあげる西*生活がおもな群であるが、前者は後者に比べ、林業に関係した比率が相対的に高く、出村+開拓者村+営林業務拠点比率合計が高く、役場との空間的関係も遠隔化した集落であった傾向が強い。
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Journal of Architecture, Planning and Environmental Engineering (Transactions of AIJ) No.566
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Summaries of Technical Papers of Annual Meeting Architectural Institute of Japan /E-2
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