研究概要 |
1.ブルーベリーの機械収穫 ブルーベリーは収穫初期において大粒で高品質の果実が得られるので,生食を目的とした収穫(選択収穫)が可能かどうか試験した。シェーカは大振幅,低振動数で,ブーム長1.5mのものを試作した。さらに枝に加速度計を取り付け加速度を測定した。収穫の性能は熟果の落果率,未熟果の不落果率,それらの積である選択収穫指数で評価した。熟果落果率は加速度が13g以上で1となり,未熟果不落果率は約7g以下で高くなり選択収穫指数は約9gで最大値0.9を示した。振動時間は3秒で十分であり,実振動数は10Hzであった。加速度から枝の片振幅を算出すると3cmであった。収穫された果実の状態は,複粒,果梗付き果が少なく,ビニールシートで捕集したので果実損傷,ブルームの脱落は殆どなかった。したがって本シェーカで大きな側枝がない主枝を対象にすると生食用ブルーベリーの収穫は可能であることが分かった。 2.リンゴの機械収穫 リンゴ果実はオウトウ,ブルーベリーに比べ大きくロボット収穫が試みられているが,コスト,能率の面で問題がある。安い果実供給を目的に機械収穫の可能性を検討した。引っ張り試験の結果,果梗と直角方向に引っ張ると平行の場合に比べて脱離抵抗力は1/5になった。室内振動脱離試験では振幅が3cmと大きい時,振動数は3.3Hzで脱離し果梗抜け果はなかった。ほ場試験では果実の落下率は90%以上であった。厚さ10cmのウレタンフォームで回収した結果,回収率は90%以上で果梗付き果率は約60%であった。回収果実を2.5か月保蔵した結果,外傷がない果実は60%であった。高さ2,3mからウレタンフォーム上に果実を落下させた結果,厚さ10cmのウレタンフォームでは損傷がなかった。 3.小型シェーカでは対象となる果実が少ないため能率が悪いので,トラクタ用シェーカを設計,製作した。 4.海外(フランス,ニュージーランド)の果実機械収穫を視察した。
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