配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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研究概要 |
本研究は農業分野におけるテレロボティクス(遠隔操作型ロボットシステム)の開発を目標に,情報収集ロボット,収穫ロボットならびにネットワークから構成されるシステムを用いて収穫実験を行った。 情報収集ロボットは,カラーカメラ,レーザ距離計,昇降装置などから構成され,対象物のカラー画像と3次元距離情報を収集し,サーバへ無線LANで送信する。サーバではそれらの情報を元に,収穫適期の果実の識別や位置検出が行われ,その結果が保存される。遠隔の人間は,任意の時間にサーバにアクセスし,サーバの判断をチェックする。修正等があれば,ディスプレイ上で行い,その結果がサーバを介して収穫ロボットに送信される。収穫ロボットは,5自由度垂直多関節型マニピュレータ,収穫用多指ハンド,昇降装置などから構成され,前後移動する吸着パッドで対象の果実を果房から分離したあと,離層からもぎ取って収穫する。実験の結果,サーバによる果実識別の成功率は74%であった。収穫動作に関しては,最も前方に存在する果実は全て収穫されたが,作業中に果房の位置が変化することなどが原因で2番目以降の果実の収穫率は低下し,全体として収穫率は56.7%であった。 これらの問題を解決するため,果実識別のアルゴリズムに改良を加え,収穫ロボットにもカラーカメラを装着し,果実の座標を補正しながら収穫を行う方法を検討した。実験の結果,3種類のエッジ検出用フィルタを併用した果実の識別においては,識別率は90%以上であった。また,収穫の成功率も90%以上となった。 以上の結果より,農業分野におけるテレロボティクス実現の可能性が確認された。今後,収穫以外の作業にもこの技術を展開すれば,さらに充実したロボットシステムが実現できる。
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