研究概要 |
1)精密圃場管理支援システムの作成 中波ビーコンから得られた位置情報を,固定画面に表示する簡易なナビゲーションシステムを作成した。速度(0.25〜2.0m/s)を変えて,位置情報の精度を光波測距測角儀(精度5mm)と比較した。その結果,平均値,最大値,および標準偏差は,それぞれ0.50m以下,1.30m以下,および0.30m以下となった。 2)作物ストレスの計測 牧草の2番草では,草高情報と収量情報との関連付けが難しい。しかし,分光放射計を用いて作物ストレスを計測することによって,2番草の収量分布を推定できることを明らかにした。 3)圃場情報収集システムの作成 圃場情報をリアルタイムに収集できるシステムを作成した。固定点の情報入手は容易であったが,トラクタなどの移動体の情報の場合,小型小電力無線機を用いたシステムではデータの欠損率が高かった。通信システムを解析した結果,LAN無線を用いた方が安定したシステムになることが分かった。 4)飼料作物と土壌との間の窒素動態の把握 散布堆肥と収穫時のデントコーンの成分分析結果から,堆肥の窒素成分の約半分がデントコーンの生体構成に利用されていること分かった。 5)収量と土壌の理化学性のセミバリアンス解析 収量のサンプリング面積は,年度および刈取り番草によって異なったが,最大でも7m×7m以下が適切であると判断された。土壌の理化学性については,NO3-NとNH4-N濃度の場合が10m以下であった。一方,pHの場合にはそれより長い距離でも空間依存性を保証できた。
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