研究課題/領域番号 |
14560261
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
望月 学 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (90261958)
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研究分担者 |
西村 亮平 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (80172708)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 犬 / 軟骨 / 変形性関節症 / アポトーシス / ヒアルロン酸 |
研究概要 |
当初ヒツジを用いた軟骨細胞採取、培養、移植の実験を考えていたが、動物の入手が困難であることおよび管理に大きな負担が伴うことが判明し、入手管理の容易なビーグル犬を用いて予備実験を行った。安楽殺したビーグル犬の膝関節軟骨を採材し、コラゲナーゼ処理後FBS中で培養可能であることを確認した。ついでビーグル犬の膝関節での関節鏡操作を試みたが、関節サイズの大きさから器具操作に十分な空間的な余裕がなく、移植に必要な関節軟骨の採材は不可能であり、イヌにおける軟骨移植術は技術的にきわめて困難であることが推察された。このため研究の目的を、イヌの変形性関節症に対するヒアルロン酸静脈内投与の効果の検討に変更することとした。 ビーグル犬の右膝関節前十字靭帯を切断し、無処置群・ヒアルロン酸関節内投与群・同静脈内投与群にわけた。術後3回のヒアルロン酸投与を行なったところ、ヒアルロン酸静脈内投与群において肉眼的および組織学的評価から軟骨破壊の有意な抑制効果がみとめられた。また関節内・静脈内投与両群において、術後4週目に関節液中コンドロカルシン濃度の有意な上昇が認められ、軟骨修復の促進が示唆され、ヒアルロン酸静脈内投与はイヌの変形性関節症を抑制しうる可能性を持つことが示唆された。 次年度は、前十字靭帯を切断する事(ACLT)で作出したイヌのOAモデルにおける軟骨細胞のアポトーシスの状態を評価し、さらにこのOAモデルに対してHAを関節内あるいは静脈内投与した場合、軟骨細胞のアポトーシスにどのような変化が表れるかを検討した。加えてHAの投与が滑膜細胞のアポトーシスと炎症にどのような効果をもたらすかも合わせて検討した。実験ではACLTを行ったイヌのOAモデルでは軟骨細胞のアポトーシスが誘発されている事が示された。また、HAは関節内投与、静脈内投与ともに軟骨細胞のアポトーシスを抑制するのに有効であると考えられた。
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