研究課題/領域番号 |
14560266
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
日笠 喜朗 国立大学法人鳥取大学, 農学部, 教授 (30165071)
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研究分担者 |
松田 浩珍 国立大学法人東京農工大学, 農学部, 教授 (80145820)
山野 好章 国立大学法人鳥取大学, 農学部, 助教授 (00182593)
森田 剛仁 国立大学法人鳥取大学, 農学部, 助教授 (70273901)
佐藤 耕太 鳥取大学, 農学部, 講師 (50283974)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | イヌ / 血小板 / 拡張型心筋症 / イミダゾリン受容体 / 循環器 / 遺伝 / アドレナリン受容体 / カテコラミン / カルニチン / タウリン / 心筋症 |
研究概要 |
本研究では、イヌの血小板および循環器系に対するイミダゾリン受容体の薬理学的性質を解析した。同時に、イヌにおける循環器疾患、特にアメリカン・コッカー・スパニエルにおける家系の交配により遺伝性拡張型心筋症モデルの確立を検討した。さらに、治療薬としてのイミダゾリン受容体作用薬の有用性を調べるために、本モデルにおけるα_2-アドレナリンとイミダゾリン受容体活性変化を検討した。その結果、イヌ血小板にはα_2-アドレナリン受容体が存在するが、それに加えてイミダゾリン(I)受容体が存在し、I_1とI_2の少なくとも2つの受容体サブタイプが存在することを明らかにした。I_1-受容体は血小板凝集に対して抑制的な作用に関与していることが示唆され、血管拡張にも関与していることから、I-受容体作用薬の血栓症や循環器疾患への有用性が考えられた。また、アメリカン・コッカー・スパニエルにおける拡張型心筋症発症の家系において病態と発症過程明らかにした。その心筋症の発症犬における血小板のα_2-アドレナリン受容体とイミダゾリン受容体(I-受容体)の受容体数と親和性変化を検討した結果、血漿アドレナリン濃度上昇とα_2-受容体数の減少を示し、両者が負の相関関係を示した。I_1-およびI_2-受容体においては正常犬との間に有意な違いが認められなかったことから、拡張型心筋症においてI-受容体はα_2-受容体に比べ受容体活性の変化が少ないことを証明した。従って、I-受容体作用薬の方がα-受容体作用薬に比べ心疾患に対する治療薬としてより安定した作用を示す有用な薬物であると考えられた。しかし、心筋症におけるI-受容体作用薬の全身性循環機能へ及ぼす影響と有用性については充分に検討し得なかった。この点については今後に残された重要課題であり、I-受容体の機能の解明についての一層の研究が必要である。
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