研究概要 |
1.カラースライド枠に番号・所見・性別・左右などを記載し、これまでに撮影した約6,000枚のスライド目録を完成させた。その中から、解剖学実習に必要な1,302枚(頚部55、頭部200、体幹99、上肢149、胸部186、病と胎児25、腹部233、下肢196、骨盤159)を選別した。スライドは、人体の部位ごとに解剖学実習行程に沿って、正常構造と変異例、解剖手技などを適宜配置した。 2.スライド1枚を300dpiの画素数でPCに取り込み、2L判のカラー写真に印刷した。カラー写真に部位別の番号を付け、剖出状態、所見(キーワード)を収録した目録を作成した。また写真の解説を試み、写真947葉の草稿を完成させた。 3.写真に傷・ゴミが写るため、最良のカラースライドを選別し、1枚あたり500dpi(2.5MB)で入力し直した。1ファイルにスライド約40枚を収録し、全体ではCD7枚に35ファイルにまとめ、その容量は3.4GBに達した。A4判1ページに2枚のデジタル画像を配置して、カラー写真集全2巻の雛形を作成した。第1巻は、頚部、頭部、体幹、上肢、胸部の各写真と目録を収録して380頁に、第2巻は病理・胎児、腹部、下肢、骨盤の各写真と目録を収して334頁に達した。写真集2巻とPCによるデジタル画像は、第16回国際解剖学会で供覧し、概要は日本解剖学会関東支部第92回学術集会で口演した。本学の解剖学実習でも本書2巻を利用し、学生の感想を聴取した。 4.平成14〜16年度の解剖実習体から外頚動脈の変異、頚腕筋、肋軟骨滑車上筋、肋間動脈の走行、胆石、重複尿管、左門脈、回腸の腸重積症、乳房、女性生殖器などのカラースライド所見を補充した。 5.今後は、本研究の成果を踏まえ、カラー写真集全3巻(写真集2巻と解説書1巻)の刊行を計画している。
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