研究課題/領域番号 |
14570008
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
田中 重徳 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (60004660)
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研究分担者 |
易 双勤 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (70334753)
下川 隆 金沢大学, 医学系研究科, 講師 (70302841)
中谷 壽男 金沢大学, 医学部, 教授 (60198124)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 発生 / 末梢神経 / 心臓 / ヒト / スンクス / ラット / 免疫組織化学 / 分子組織学 / 脊椎動物 / 血管 / 内臓 / 分子組織化学 |
研究概要 |
人体発生学の研究はヒトの胚で研究するのが最も直接データが得られるが、今日では倫理的に許される状況にない。それ故、私たちはラットよりもヒトに近い実験動物であるジャコウネズミに注目し、これの飼育繁殖を続けて10年を経過し、その胚を充分に活用出来る研究環境にある。これまで、胚の中にラテックスを注入することにより血管を標識すると同時に、全胚的免疫染色方法をニワトリ、ジャコウネズミ、ラットとマウスの胚とジャコウネズミの成体の臓器に適用し、分布する臓性神経の形態形成を血管発生と同時に追跡して来た。ジャコウネズミにおいては、心臓と膵臓に分布する末梢神経と血管との関係を重視して研究した。副交感神経に関しては,動脈に伴行して心臓の動脈門と静脈門の双方に達する枝(心臓枝)の形態が比較的容易に解明された。本研究においては、これまで形態の解明が困難とされて来た交感神経由来の心臓の動脈門と静脈門、とりわけ静脈門に達する神経(心臓神経)の形態を成体と胚の双方において、明らかにすることが出来た。更には、静脈に伴行し、心臓の静脈門に到達する神経(心臓神経)の形態と形態形成をも明らかにした。膵臓に分布する神経に関しては、成体において形態の詳細を明らかにすることが出来た。この動物はヒトの胚における背側と腹側の膵臓原基の形態を成体においても維持しているという実験動物としての有用性があることが判明した。又、Langerhans islet細胞の局所分布を調べ、ヒトの背側と腹側の膵臓と同じ細胞分布様式を維持していることが判明した。以上の実験データに依拠し、臨床医学における十二指腸・総胆管温存膵頭部切除術(DPPHR)の適応性について検討した。ヒトの成体の末梢神経、とりわけ交感神経に関しては、精密な解剖が困難とされて来たが、0.001%アリザリンレッド含有95%アルコールで染色・脱脂肪を十分行った後に細部に亘って剖出するという手技を考案した。この研究手技により、ヒトの成体の心臓に分布する迷走神経と交感神経の形態の全体を明らかにすることが出来た。とりわけ、交感神経の枝に関しては、心臓静脈門から心臓に到達する新たな枝を見つけ、その形態を前例が無いほどに詳細に解明したところ、ジャコウネズミの成体と胚と同じ形態であることが判明した。これにより、ヒトと他の脊椎動物に心臓神経の名称に混乱しているため、全ての脊椎動物に通用する表現が困難であったが、これを解決することが出来た
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