研究課題/領域番号 |
14570026
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
亀田 芙子 北里大学, 医学部, 教授 (10032898)
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研究分担者 |
新井 雄太 北里大学, 医学部, 助手 (60329026)
三浦 正明 北里大学, 医学部, 助手 (60276053)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | Hoxa3ノックアウト・マウス / Cx43-lacZマウス / 第3鰓弓動脈 / 第3咽頭嚢 / 圧受容器 / 神経堤細胞 / VEGF / エンドセリン / Hoxa3ノックアウトマウス / Cx43-lacZトランスジェニック・マウス / 総頚動脈欠損 |
研究概要 |
Hox遺伝子群は脊椎動物の頭尾軸に沿った組織の領域特異性を決めるマスター遺伝子群である。そのうちHoxa3は第3鰓弓と第3咽頭嚢に強く発現しており、Hoxa3ノックアウトマウスでは第3咽頭嚢由来器官である胸腺および上皮小体が欠損する。さらに第3鰓弓動脈が退化するため総頚動脈に異常が生じ、野生型マウスでは第3鰓弓動脈壁に形成される頚動脈小体原基が形成されないことを見出した(Kameda et al.,2002).今回Hoxa3ホモ変異型マウスにおける頚動脈系異常と圧受容器の変異を、野生型およびヘテロ変異型マウスと比較して統計的に解析した(Kameda et al.,2003)。鰓弓動脈平滑筋は後脳より由来した神経堤細胞によって形成される。Connexin(Cx)43-lacZトランスジェニック・マウスにおいて、β-galactosidase抗体を用いての免疫組織化学で神経堤由来細胞を特異的にラベルできる。Hoxa3ヘテロ変異型マウスをCx43-lacZマウスと交配し、Hoxa3ホモ変異型マウスにおける第3鰓弓動脈退縮の原因を調べた。胎生10.5日令ホモ変異型マウスでは、野生型と同様に、神経堤細胞は第3鰓弓に分布しており、第3鰓弓動脈は存在したが、11.5日令で退縮した。また第3鰓弓の分化が著しく遅れていた。BrdUラベル実験で調べると、野生型と比較して、ホモ変異型の第3鰓弓における細胞増殖数は著しく減少しており面積も少なかった。このようにHoxa3は第3鰓弓の分化と増殖に必要な遺伝子と考えられる。Hoxa3が関与する第3鰓弓動脈発達の分子機構を解明するため、Laser capture microdissection(LCM)とRT-PCR法により、10.5日令胎児第3鰓弓動脈の遺伝子発現を調べた。野生型と比較して、ホモ変異型マウスでは血管形成のマスター遺伝子であるVEGFは殆ど消失しており、またそのリセプターであるFlt-1は増加し、Flk-1は減少した。神経堤細胞の分化に関与し、血管内皮細胞によって分泌されるEndothelin(ET)-1mRNA発現は著しく減少した。Hoxa3は第3鰓弓動脈発達のため、VEGFとET-1のシグナル伝達系を制御しているように思える。
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