研究課題/領域番号 |
14570029
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
栗原 秀剛 順天堂大学, 医学部, 助教授 (80311976)
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研究分担者 |
市村 浩一郎 順天堂大学, 医学部, 助手 (10343485)
坂井 建雄 順天堂大学, 医学部, 教授 (90114488)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 腎臓 / 糸球体 / 足細胞 / スリット膜 / 細胞間接着 / 細胞極性 / 細胞骨格 |
研究概要 |
糸球体足細胞は大きな細胞体とそこから延びだした多くの足突起を持つ高度に分化した細胞であり、糸球体濾過に重要な役割を演じている。これまでの我々の研究から、足突起間にあるスリット膜は細胞間接着装置に由来する構造であると考えられる。このスリット膜を境にして膜表面蛋白と膜の裏打ち蛋白の分布が異なり、スリット膜は膜ドメイン形成に役割を演じている。細胞極性決定に重要な役割を演じているASIPの局在を腎組織で調べ、この分子がタイト結合の端に局在し、細胞の境界を決定していることを見いだした。また、ASIPは幼弱な足細胞ではタイト結合に、成熟した足細胞ではスリット膜の基部に存在することが分かった。新潟大学腎研との共同研究により、新たにスリット膜分子としてラットポドシンをクローニングし、その局在が正常ではスリット膜にあり、病態時では癒合した足細胞間の細胞接着部位に局在することを明らかにした。さらに、細胞間接着装置のうちアドヘレンス結合に局在する分子p120カテニンが、未熟な足細胞の細胞間には発現するが、成熟した足細胞におけるスリット膜の形成には関与しないことを明らかにした。 足細胞のユニークな形作りには細胞骨格系要素が重要な役割を演じていると考えられる。我々は糸球体足細胞足突起のアクチン線維構造を詳細に検討し、足突起のアクチン線維には2種類の構造が存在することを初めて見いだした。すなわち、足突起中心部分には長軸方向に大量のアクチン線維が束状に走行しており、膜直下には編み目状のアクチン線維のネットワークが存在している。これらのアクチン構造の成り立ちを調べるために足細胞に発現するアクチン結合蛋白の発現を発生過程を追って解析し、2種類のアクチン線維が異なるアクチン結合蛋白によって形成されることを明らかにした。さらに、足細胞の細胞体と一次突起に分布する中間径線維に結合する新しい分子Vmacを見いだした。
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