研究課題/領域番号 |
14570036
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
菅野 隆浩 弘前大, 医学部, 助教授 (90195181)
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研究分担者 |
宮野 尚哉 立命館大学, COE推進機構, 教授 (10312480)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | pancneatic β-cell / action potential / chaos / time series analysis / pancreatic β-cell / permutation entropy |
研究概要 |
昨年度の研究により、マウス膵インスリン分泌(β)細胞を一つの細胞に単離した状態で10mMグルコース溶液で刺激した際には、カオスの性質である短期予測可能性、決定論的性質、非線形性をほとんどの細胞で見出だすことができたが、β細胞がランゲルハンス島内に存在するいわゆる組織状態においての活動電位にはカオスの諸性質をほとんど見出すことができなかった。そこで、組織状態でカオスの性質が見られない理由の一つとして、β細胞同士がgap junctionを介してお互いに電気的に結合していることに起因していると推定し研究を進めた。gap junctionのinhibitorである、carbenoxolonを組織状態のβ細胞に作用させたところカオスの特徴の一つである、決定論的性質が有意に上昇した。また、他の刺激でもカオスの発現を催起できないか検討したところATP感受性K^+チャネルブロッカーであるtolbutamideを投与すると、同様に決定論的性質が有意に上昇することがわかった。以上の結果より、単離β細胞の活動電位で見られたカオスの性質は、組織状態におけるβ細胞においてはgap junctionによる電気的結合により不明瞭になっていると考えられた。また、tolbutamideのような強い刺激を加えると、カオスの性質が明瞭になったことより、カオスは膵β細胞の活動電位においては、カオス的挙動は病態生理学的な状態を示していると考えられた。
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