研究課題/領域番号 |
14570044
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
鈴木 光 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80037548)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 胃平滑筋 / 自発活動 / 貯蔵カルシウム / イノシトール三リン酸 / プロテインキナーゼC / 細胞内カルシウム / ミトコンドリア / プロトンポンプ / 消化管平滑筋 / 歩調とり電位 / 緩電位 |
研究概要 |
摘出モルモット胃平滑筋にガラス微小電極を刺入し膜電位を記録すると、振幅およそ30mVで持続5-6秒の緩やかな電位が律動的に記録され、これを緩徐電位と呼んだ。緩徐電位は神経要素を除外しても観られ、またCa-拮抗薬で電位依存性Caチャネルを阻害しても変化しなかったので、平滑筋組織内で発現している自発活動と考えた。緩徐電位はDIDSやニフルミン酸で消失したので、Ca感受性塩素チャネルが活性化されることにより形成されると考えた。また緩徐電位は細胞内Caイオン濃度の上昇を伴っており、Caキレート剤で細胞内Ca濃度を極端に低下させたり、細胞内小胞体(カルシウム貯蔵部位)のカルシウムを枯渇させたり、小胞体膜にあるIP3受容体を阻害すると停止したので、IP3を介して小胞体からCaを遊離する機構が関与していることが判った。さらにミトコンドリアのプロトンポンプを抑制したり、ミトコンドリア膜のATP感受性Kチャネルを抑制しても緩徐電位の発生は阻止された。また緩徐電位発生には数秒の不応期があり、プロテインキナーゼCの活性と連関していた。これらの結果から、自発活動のもととなる歩調とり電位はミトコンドリアにおける電位変動で生じるカルシウムの局所的濃度変化がプロテインキナーゼ、ホスホリパーゼCなどのCa感受性酵素を活性化し、IP3の産生を増加させ、筋小胞体からCaを遊離させることによって細胞内Ca濃度を増加させ、その結果として活性化される細胞膜のCa感受性塩素チャネルを介する塩素イオンの流出により形成されると考えた。
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