研究課題/領域番号 |
14570081
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大池 正宏 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (70271103)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 血管内皮細胞 / 機械刺激 / ATP / カルシウム / Dbl蛋白 / チロシンキナーゼ / 小分子G蛋白 / アクチン / Rho-キナーゼ |
研究概要 |
本研究では機械的刺激特に低浸透圧刺激に対するヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の反応に関わる細胞内分子機構の解明を目指した。本研究により以下の成果を得た。 (1)低浸透圧刺激感知に関わるDbl蛋白の同定:Rhoの活性化にはDbl蛋白ファミリーが必要である。RT-PCR法によってHUVECに存在するDbl蛋白の検出を試みたところ、Abr、Fgd-1、Kalirin-7、Lbcなど、8種類のDbl蛋白mRNAが検出された。これらへのアンチセンスによってDbl蛋白のmRNAを抑制したものについて、低浸透圧刺激への反応を検討した。低浸透圧刺激によるCa^<2+>上昇反応が、Lbcアンチセンスを取り込ませた細胞では有意に阻害された。また、LbcのcDNAを過剰発現したところ、対照細胞に比べてより低レベルの刺激でCa^<2+>反応を認めた。従って、機械的刺激はLbcによって感知されると考えられた。 (2)ATP放出に関与するチロシンキナーゼの同定とそのRho活性化との関連:低浸透圧刺激をHUVECに与えた後に細胞蛋白を回収し、チロシンキナーゼ活性をWestern blottingで検討したところ、低浸透圧刺激後2-5分を最大として125kDa付近と68kDa付近の二つの蛋白にチロシンキナーゼ活性が見られ、それぞれfocal adhesion kinase (FAK)及びpaxillinと同定された。また、Rhoの活性化作用を持つリゾフォスファチジン酸(LPA)でHUVECを刺激するとATPの放出が見られたが、これはチロシンキナーゼ阻害剤で抑制された。一方、低浸透圧刺激によるFAK/paxillinの活性化はRhoキナーゼ阻害剤で抑制された。従って、Rho/Rho-キナーゼ活性化とFAK/paxillin活性化はこの順に一連のカスケードとして活性化されると考えられた。
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