研究課題/領域番号 |
14570091
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
西尾 眞友 金沢医科大学, 医学部, 教授 (80156041)
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研究分担者 |
吉田 純子 金沢医科大学, 医学部, 講師 (20064628)
石橋 隆治 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (60184561)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | アデノシン / モルモット心筋細胞 / A_1受容体 / A_1受容体遮断薬 / K_<ATP>チャネル / protein kinase C |
研究概要 |
アデノシンは、心臓の生理機能を調節すると共に、虚血-再灌流障害に際して保護的な役割を示す。本研究では、虚血-再灌流障害の予防・治療へのアデノシン受容体作用薬の応用の可能性を探るため、正常および虚血心筋細胞のイオンチャネルやシグナル伝達系分子に対するアデノシン受容体刺激効果の詳細な解析を試みた。まず、パッチクランプ法にてモルモット摘出心筋細胞に対するアデノシンの作用を検討した結果、アデノシンは、(1)単離心室筋細胞の活動電位および静止膜電位には10^<-5>Mの高濃度にてもなんら影響を示さないが、(2)心房筋細胞に対して、百日咳毒素感受性に活動電位持続時間(APD)を短縮させ、静止膜電位を深くし、(3)0mVにおける外向き電流を大きくすることが解った。また、アデノシン受容体刺激によるこれらの効果は、(4)アデノシンA_2およびA_3受容体作動薬ではなく、A_1受容体作動薬、N^6-cyclohexyladenosine(CHA)によって再現され、(5)CHAによるAPD短縮作用と外向き電流増大作用は共に、選択的A_1受容体遮断薬、8-cyclopentyl-1,3-dipropylxanthine (DPCPX)、によって完全に抑制された。また、(6)K_<ATP>チャネル遮断薬であるglybenclamideは、CHAによるAPD短縮作用を完全に、一方、外向き電流増大作用を部分的に抑制した。更に、(7)CHAの外向き電流増大作用は、PKC阻害薬chelerythrine前処置によって消失し、ミトコンドリアK_<ATP>チャネルを遮断するとされる5-hydroxydecanoic acid(5-HD)によって部分的に抑制された。 以上の結果から、アデノシンの心房筋APD短縮作用と外向き電流増大作用に、A_1受容体刺激に引き続き、PKCや5-HD感受性の機構が関わるK_<ATP>チャネルの活性化が関与しており、これが虚血-再潅流障害保護作用機序の一翼を担う可能性が示唆された。
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