研究課題/領域番号 |
14570094
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
篠塚 和正 武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (50117777)
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研究分担者 |
田中 直子 武庫川女子大学, 助手 (70322576)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ATP / ラット尾動脈 / 物質透過性 / ノルアドレナリン / 培養内皮細胞 / 交感神経 / 細胞形態調節 / ATP遊離 / 自律神経 / 神経伝達 / 低温 / 低酸素 / 低浸透圧 / プリン受容体 / シナプス前調節 |
研究概要 |
前年度の結果を受けて本年度はプリン遊離量が最も多い尾動脈に焦点をあて、ATPによる逆行性神経伝達調節機構の意義とその効果器保護作用について検討し、以下の知見を得た。 1)神経興奮によるATP遊離 電気的交感神経刺激(ES)によるノルアドレナリン(NA)とプリン物質の遊離は刺激頻度に応じて増加した。また、プリン物質の遊離は外因性NAの濃度に応じて増加した。従って、プリン物質の遊離量は神経の興奮性に応じることが明らかとなった。 2)遊離ATPによる効果器保護作用その1:NA遊離の抑制作用。 外因性のプリン受容体作動薬、α受容体作動薬もしくは高頻度のESにより遊離された内因性プリンが、交感神経からのNAの遊離を抑制することを明らかにした。 3)遊離ATPによる効果器保護作用その2:物質透過の促進作用 プリン受容体作動薬により血管内皮細胞層の透過性が促進されることを、インサートチャンバーに培養したラット尾動脈内皮細胞を使用した実験で明らかにした。この透過性促進作用はラット尾部組織でも観察した。 4)病態との関係:生活習慣病ラットにおける逆行性調節機構の機能不全 遺伝的生活習慣病ラット(SHR/NDmcr-cp)において交感神経終末部のプリン受容体は全く機能していないことが明らかとなった。なお、内因性プリン物質の遊離には、有意な変化は認められなかった。 以上の結果より、血管において交感神経が過剰の興奮時には、内因性プリン物質が遊離して神経伝達を抑制し、血流を改善するとともに、血管の透過性を亢進して組織への物質移動を改善することが示唆された。即ち、逆行性神経伝達機構において遊離されるATPは、これら2つの作用を介して効果器を保護している可能性が示唆された。さらに、生活習慣病状態下ではこの機能不全が認められたことから、病態の発症と進展に重要である可能性も併せて示唆された。
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