研究課題/領域番号 |
14570183
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 国立がんセンター(研究所) (2003) 浜松医科大学 (2002) |
研究代表者 |
田中 正光 国立がんセンター, 細胞増殖因子研究部, 室長 (20291396)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | Tiam1 / nm23 / Eph / ephrin / Rac1 / 低分子量G蛋白質 |
研究概要 |
Tiam1発現腫瘍細胞の浸潤、転移に対してnm23-H1の発現が実際にどの程度影響するかを検索する目的で、外来性にTiam1を導入したマウスリンパ腫細胞(BW5147)を用いた。同細胞にさらにmm23H1をTet-ONシステムで導入し、テトラサイクリン添加によりnm23H1が安定過剰発現する株(nm23 Tet-ON細胞)を作製した。これまでの結果から予想されたように、nm23 Tet-ON細胞ではnm23-H1を過剰発現させることにより、Tiam1によるRac1の活性化が阻害され、同細胞の細胞膜における葉状突起の形成の低下も観察された。また、Boyden chamberを用いた実験では、nm23-H1の過剰発現はnm23 Tet-ON細胞の細胞移動を阻害した。これらの変化はTiam1との結合能を欠如したnm23H1変異体ではみとめられなかった。さらにマウス個体レベルでnm23-H1の発現がmm23 Tet-ON細胞の浸潤能を左右するかの検討を試みたが、mm23-H1の発現制御が期待レベルに誘導されていなかったため、有意な変化が見られなかった。 またこれらの実験と並行して、Ephチロシンキナーゼ型受容体とそのリガンドephrinが、Tiam1の活性化を誘導する上流因子として作用することを見い出した。EphA2およびephrin-B1は、Tiam1と複合体を形成する結果Rac1の活性化を誘導し、神経細胞や神経芽細胞腫においては神経突起の伸長が促進された。このEph,/ephrinによるTiam1/Rac1の活性化は、上皮細胞においては細胞膜突起の形成促進や細胞移動の亢進を誘導するため、特にEph/ephrinを発現している癌細胞でnm23H-1を発現誘導することは、これらの癌細胞の浸潤の阻止に有効であることが考慮された。
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