研究課題/領域番号 |
14570258
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
神田 輝 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助手 (50333472)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2003年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | EBウイルス / 潜伏感染 / EBNA1 / 遺伝子置換 / 転写調節 / 大腸菌人工染色体 / EBウィルス / ターゲッティング / 大腸菌 / 人工染色体 / Bリンパ球 |
研究概要 |
EBウイルス(以下EBV)のウイルス蛋白質EBNA1は、EBVのBリンパ球への潜伏感染時に常に発現し、ウイルスゲノムの複製分配、さらにウイルス遺伝子の転写調節にも関わるとされている。研究代表者らは、独自に開発した大腸菌人工染色休(BACベクター)を応用したEBVゲノム改変システムを用いて、ウイルスゲノム上においてEBNA1遺伝子を転写不活性型の変異型(HMGI-EBNA1遺伝子)に置換した遺伝子置換型(ノックイン)EBVゲノムを作製した。このHMGI-EBNA1ノックインウイルスを用いて、EBNA1蛋白質の転写調節のみを特異的に欠損させることにより現れる表現型を解析した。HMGI-EBNA1ノックインEBVゲノムのDNAを大腸菌で大量調製し、野生型EBVを持つAkata細胞(バーキットリンパ腫由来)へと再導入した。その結果、HMGI-EBNA1ノックインウイルスゲノムが野生型ウイルスゲノムと共存してエピゾーム(環状DNA)として維持されている細胞株を樹立した。この細胞株より野生型EBVとHMGI-EBNA1ノックインEBVの混合ウイルスを産生し、EBV陰性Akata細胞およびヒト臍帯血由来リンハ球に感染させた。その結果、HMGI-EBNA1ノックインウイルスは感染Akata細胞内てはエピゾームとして維持されたことから、HMGI-EBNA1蛋白質は、エピゾームの複製維持という点ては、EBNA1蛋白質と同様な機能を保持していることが確認された。対照的に、樹立された不死化リンハ球細胞株にわいては、HMGI-EBNA1ウイルスは野生型ウイルスと高頻度に組換えを起こし、EBNA1遺伝子を取り込んていた。以上の結果より、EBNA1蛋白質の持つ転写活性化能は、EBVによるBリンハ球不死化の過程において重要な働きをしていることが強く示唆された。
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