研究課題/領域番号 |
14570276
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
徳久 剛史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20134364)
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研究分担者 |
坂本 明美 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (90359597)
有馬 雅史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (00202763)
幡野 雅彦 千葉大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (20208523)
岡田 誠治 熊本大学, エイズ学研究センター, 教授 (50282455)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | メモリーT細胞 / 転写因子 / BCL6 / トランスジェニックマウス / Homeostatic Proliferation / Central Memory T Cell / BAZF / CD8 T Cells / CD8T細胞 / 好酸球性アレルギー / IL-5 / 転写抑制 / エフェクター細胞 |
研究概要 |
成熟T細胞のメモリーT細胞への分化機構を転写因子(BCL6、やBAZF)のレベルで明らかにすることを目的として、これらの遺伝子を欠損させたマウスやT細胞において過剰発現させたトランスジェニック(Tg)マウスを作製した。そして、これらのマウスの脾臓やリンパ節におけるメモリーT細胞の分化異常を免疫学的に解析した。その結果、4週齢までのlck-Bcl6-Tgマウスの脾臓でのメモリーCD8T細胞の増加パターンは、正常マウスと変わらなかった。しかしそれ以降では、一度増加したメモリーCD8T細胞が減少することなく、そのまま12週齢以降にも高値を持続することが明らかになった。さらに抗原刺激後のメモリーCD8T細胞数が、Bcl6の発現量に比例して増加しており、かつlck-Bcl6-Tgマウス由来のメモリーCD8T細胞がもっとも長期間にわたって保たれていた。この結果から、以下の事が明らかになった。 1)Bcl6はhomeostatic proliferationにより誘導されるメモリーCD8T細胞の維持機構において正の機能をしている。 2)Bcl6は、homeostatic proliferationにより分化誘導されたメモリーCD8T細胞を長期間にわたり維持し続ける機能がある。 3)Bcl6が抗原刺激により誘導されるメモリーCD8T細胞の維持機構においても正の機能をしていることや長期間にわたり維持し続ける機能がある。 上記の研究成果から、Bcl6がなくてもメモリーCD8T細胞は分化誘導されてくるが、Bcl6は一度分化したメモリーT細胞をその分化段階で持続させる機能があることが明らかにされた。本研究成果は、単にワクチン療法の新展開やヒトのアレルギー疾患の治療法への応用ばかりでなく、自己免疫病の病因の解明やキラーT細胞を応用したがんの免疫療法の改良などへ向けて研究が展開できると考えられる。
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