研究課題
基盤研究(C)
I.基盤研究(C)平成14-17年度研究課題:T系前駆細胞の胎仔胸腺への移入に関与するケモカイン・ケモカインレセプターの解析 3,400,000円1)我々は正常マウスにおいて胎生11日にT系前駆細胞が胸腺原基間葉系細胞層に集積し、胎生12日に胸腺上皮細胞クラスター内に移動することを示してきた。今回CXCL12ノックアウトマウスにおける胎生11-12日胸腺原基におけるT系前駆細胞の移動について検討したところ、間葉系細胞層への移入においても、胸腺上皮細胞クラスター内への移動においても正常マウスと比較して差が見られなかった。しかし、CXCL12ノックアウトマウス胎仔胸腺内では分化過程のT細胞の数が低下していることがわかった。このことから、CXCL12は、T系前駆細胞の移入には関与せず、DN細胞の増殖に関わることが示唆された。(J.Immunol.170,4649.2003)2)正常マウス胸腺原基では、胎生12日ごろから血管芽細胞及び血管内皮細胞が胸腺上皮細胞クラスターの中に入り込み、胎生13日になると血管形成が始まること、血管形成期には、VEGF産生細胞が認められることを示した。他方、ヌードマウス胸腺原基では、T系前駆細胞の上皮細胞間への移入が起こらないだけでなく、血管芽細胞・血管内皮細胞の胸腺原基間葉系細胞層への著明な集積も認められず、血管形成がおこらなかった。この原因として、ヌードマウス胸腺原基にはVEGF産生細胞が認められなかった。胸腺器官形成には、細胞間相互作用による上皮細胞の分化誘導ばかりでなく、VEGF産生細胞の分化による血管の形成も必須であることが解った(論文投稿中)。3)胸腺発生過程においてマウス胸腺へ移入する前駆細胞は、最初胸腺原基間葉系細胞層に存在し、CD117やIL7Rを発現し、胸腺胎仔器官培養系での分化能の解析より、すでにT系列に運命決定されていることを示した。(J.Immunol.174,2525.2005)4)ポリコーム遺伝子であるMel-18が胸腺内T細胞初期分化段階において細胞の増殖と細胞死の制御働いていること、Hes-1の発現維持を介して胸腺細胞の生存維持に関わっていることを示した。(J.Immunol.174,2707.2005)5)胸腺におけるPerivascular spaceが果たす役割について検討しPVSは髄質、皮質髄質境界領域の太い血管周囲にのみ存在することを示した。二重の基底膜で仕切られたPVSは血液中の血液前駆細胞の胸腺内移入及び実質内で分化した成熟T細胞の末梢への移出の通路となることが示され、PVSが胸腺内外へ移動する細胞の選択にも関与することが示唆された。(論文投稿中)
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