研究課題/領域番号 |
14570307
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
吉田 稔 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (80081660)
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研究分担者 |
風間 暁男 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (60288149)
渡辺 知保 東京大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (70220902)
佐藤 雅彦 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (20256390)
前山 史朗 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (70121217)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 水銀蒸気 / メタロチオネイン遺伝子欠損マウス / 行動異常 / 胎生期曝露 / 臓器中水銀 / オープンフィールド / 受動的回避反応 / モリス水迷路 / オープンフィールテスト / メタロチオネイン / 受動的回避実験 |
研究概要 |
長期間低濃度水蒸気曝露による中枢神経行動特性対するメメタロチオネインの役割について:MT(I, II型)欠損マウス(MT(-/-))およびその対照(野生型)マウス(MT(+/+))を水銀蒸気0.04〜0.2mg/m^3の濃度で1日8時間、5ヶ月間連日曝露を行った。その後、曝露を中止し、5ヵ月目に行動影響を見た。オープンフィールドによる総移動距離はMT(+/+)マウス、MT(-/-)マウスともに対照群に比べ、曝露群が高値を示した。学習獲得の指標である回避反応時間は曝露群のMT(-/-)マウスがMT(+/+)マウスより対照群で有意に低下していた。臓器中水銀濃度は、MT(-/-)マウスはMT(+/+)マウスに比べ、いずれの臓器も水銀濃度は低値であった。以上の結果より、水銀蒸気曝露により、MT(+/+)マウスの活動が亢進することが明らかとなった。また長期水銀曝露後のMT(-/-)マウスの学習獲得はMT(+/+)マウスより劣り、メタロチオネインが学習獲得に何らかの役割を果たしていると思われる。 胎生期の水銀蒸気曝露による中枢神経行動毒性に対するメタロチオネインの役割について:妊娠中に水銀蒸気曝露うけた胎児のその後の行動影響をMT(-/-)とMT(+/+)で検討した。水銀蒸気0.50〜0.56mg/m^3の濃度で1日6時間、妊娠1日目から18日目まで曝露を行った。出産3ヵ月後のオープンフィールドでの活動量については、雄性MT(-/-)マウス群に低下が認められた。受動的回避反応試験では雌性T(-/-)マウス群に学習獲得の低下を認めた。モリス水迷路での空間学習については、水銀曝露をうけた雌性MT(-/-)マウスに空間学習の獲得過程で、遅延が認められた。以上の結果より、胎生期における水銀蒸気曝露にうけたマウス群に、活動量の低下、空間学習および学習獲得の低下が認められた。とくに、MT(-/-)マウス群に行動変化が顕著に現れており、このことはMT-Iおよび-IIは水銀による神経行動毒性の軽減に何らかの役割を果たしているものと思われる。
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