研究課題/領域番号 |
14570396
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
武市 早苗 東海大学, 医学部, 教授 (20035497)
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研究分担者 |
中嶋 克行 (株)日本抗体研究所, 開発部長(研究職)
後藤 信哉 東海大学, 医学部, 助教授 (50225653)
佐藤 文子 東海大学, 医学部, 助手 (70328128)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | ポックリ病 / レムナント・リポ蛋白(RLP) / 死後変化 / 冠攣縮 / 一酸化窒素(NO) / Rho-kinase / 内皮依存性冠攣縮 / 外膜依存性冠攣縮 / レムナント・リポ蛋白 / 妊婦 / remnant lipoproteins / RLP-TG / Rho / 心臓性突然死 / Hydroxyfasudil |
研究概要 |
われわれはポックリ病の原因として脂質の異常代謝産物レムナント・リポ蛋白(RLP)の生理活性を検討し、RLPの血小板凝集作用と血管の弛緩抑制作用を明らかにしてきた。本研究期間に於いてはRLPの生理作用のうちで、直接的にポックリ病の原因と考えられる冠攣縮について検討を重ねた。 (1)家兎大動脈を用いたin vitroの血管攣縮実験で内皮依存性アセチルコリン弛緩がRLPで抑制されること、牛の肺動脈内皮の培養細胞を用いたin vitro実験でRLPの濃度に依存してNO産生が抑制され、NO合成酵素(eNOS)の活性が抑制されることを明らかにした。 (2)豚冠動脈の外膜に、ポックリ病死症例の血漿から分離・精製したRLPを作用させ、その後セロトニン刺激により冠動脈の攣縮を誘発したところ、RLP処置部分にきわめて強い攣縮を起こした。この攣縮はRLPの作用した部分に特異的に認められ、同部位にはRho-kinaseのm-RNAが増量しており、Rho-kinaseの阻害剤Hydroxy fasudilで攣縮が完全に阻害されることを確認した。すなわち高レムナント血症が血管外膜のRho-kinaseを介して攣縮を誘発する可能性を示唆した。 (1)(2)の結果はRLPが冠動脈の内膜・外膜両方を介して攣縮を誘発していることを示唆している。 (3)死体血を用いたわれわれの研究の正当性を証明するために、各種脂質ならびに脂質代謝産物の死後変化をDry Chem TG法、Determiner L-TG法での比較検討、HPLC、電気泳動法、電顕、家兎を用いた実験等を行い、死体血における測定値が生前の値を反映していることを確認した。 さらに、妊婦について検討したところ、(4)妊婦の血清TG,TCは健常人に比べて有意に高値であるのに、RLP-C/VLDL-Cの値ならびにRLP-TG/VLDL-TGの値が有意に低値であることを確認した。成人女性にポックリ病の発症例がないことの説明に有効なデータであると思われた。
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