研究課題/領域番号 |
14570420
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
川上 純 長崎大学, 医学部・歯学部付属病院, 講師 (90325639)
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研究分担者 |
江口 勝美 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30128160)
右田 清志 国立病院長崎医療センター, 臨床研究センター, 免疫研究部長 (60264214)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 滑膜線維芽細胞 / 間葉系幹細胞 / 関節リウマチ / 細胞分化 / PPARγ / C / EBP / NF-κB / サイトカイン / 滑膜線維芽細胞(FLS) / アポトーシス / STAT / NF-kappaB |
研究概要 |
A.研究目的:滑膜線椎芽細胞(FLS)は間葉系幹細胞と類似性があり、また、サイトカインは間葉系幹細胞の分化を抑制する。私たちはFLSの多分化能および分化過程へのサイトカインの影響を検討した。 B.研究方法:FLSはインフォームド・コンセント下で採取された滑膜組織を細切して得、FLSの脂肪様細胞への分化はPPARγ ligandのtrogliazoneで、また、軟骨細胞様細胞と骨芽細胞様細胞への分化は各々の分化培養液で誘導した。これら分化誘導培養液にIFN-γ、TNF-α、IL-1βを加えて培養し、分化の程度をoil red O染色(脂肪細胞様細胞)、Alcian blue染色およびSafranin O染色(軟骨細胞様細胞)およびvon Kossa染色(骨芽細胞様細胞)で評価した。 C.結果:FLSは脂肪化のkey moleculeであるPPARγとC/EBPを発現し、troglitazoneによりFLSは脂肪細胞様細胞に分化し得た。FLSと比較して脂肪細胞様細胞のNF-κB活性化は抑制され、培養上清のMMP-3、IL-6、IL-8産生は低下していた。IFN-γ、TNF-α、IL-1βはFLSのPPARγとC/EBP発現と脂肪様細胞への分化を抑制した。脂肪細胞様細胞分化に加え、分化培養液によりFLSは軟骨細胞様細胞と骨芽細胞様細胞に分化し、これら細胞培養上清のMMP-3、IL-6、IL-8産生はFLSと比較し低下傾向にあった。 D.考察:FLSは多分化能を有しており、滑膜組織局所の幹細胞であると考えられた。このことはRAに対し、FLSを用いる分化誘導療法および細胞移入療法の可能性を示唆し、自己由来の細胞も得やすく拒絶反応を回避できる有用な治療法と考えられる。"RA滑膜組織の炎症性微小環境"を形成するサイトカインはFLSの分化を抑制し、その結果、"関節の組織修復"を抑制していることも示唆された。
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