研究課題/領域番号 |
14570422
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
吉村 和久 熊本大学, エイズ学研究センター, 助手 (60315306)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | HIV-1 / residual replication / turnover / HAART / proviral DNA / CD4^+ T cell |
研究概要 |
HIVの治療を決定もしくは変更する上で問題となっているのは、マーカーとして用いられている、CD4陽性細胞数とRNAコピー数だけでは、現行治療で充分ウイルスの抑制ができているかどうかの評価ができないということにある。そのため、我々は、nested PCRとreal time PCR法を組み合わせた、高感度のプロウイルスDNA(pDNA)の定量系を確立し、FACSによる細胞のターンオーバーの測定と合わせて症例のPBMCを用いて検討を行い、従来法では評価できなかった、ウイルスのresidual replicationの程度を評価する試みを行った。現在経過観察中の症例のpDNAを我々の開発した高感度法で測定し、CD4,8陽性細胞のターンオーバー(Ki67陽性細胞の測定)を調べ、症例の臨床経過や各種マーカーと照らし合わせながら、検討を行った。300以上のサンプルの測定の結果、従来慢性感染症例ではほとんど減少しないといわれてきたpDNA量が、より強力な治療への変更によって明らかに減少する症例があることがわかった。しかも、強化療法を行った症例ではpDNAの減少に伴いそれまで上昇しなかったCD4陽性細胞の数の増加もみられた。このことは、現在の治療で充分ウイルスを抑制できてない(pDNA量の多い)症例でも、治療の変更(強化)により、ウイルスの増殖をより完全に押さえ込む可能性があることを意味している(現在投稿中)。また今回、長期間ウイルスが抑制されている症例の中に、一旦測定感度以下に低下したpDNAが再度検出されるが又すぐに感度以下に低下するといったような、いわゆるpDNAのblipsが観察された。このことは、血漿中のウイルスが一度もリバウンドしていない期間でも、ウイルスのreplicationが起こっていることが推測され、pDNA測定の重要性を示すものであると言える。これまでの検討の結果から、pDNAの高感度で安定した測定と同時にCD4,8陽性細胞のターンオーバーを測定することにより従来に比べて正確かつ鋭敏にHAARTのpotencyを評価できると考えられた。
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