研究課題/領域番号 |
14570426
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
竹内 勤 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (50179610)
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研究分担者 |
津坂 憲政 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (00245490)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | T lymphocytes / SLE / autoimmunity / 3' untranslated region / splicing / BAFF / TCRζ chain / 3'untranslated region |
研究概要 |
1)SLE患者T細胞におけるζ鎖mRNA3'UTR異常:mRNAの3'非翻訳領域(UTR)はmRNAの安定性に関与するだけでなく、mRNAの細胞質への輸送にも重要な役割を担っていることが報告されている。exon 8を含むζ鎖3'UTR cDNAをRT-PCR法で増幅しアガロースゲルで電気泳動した結果、大部分のSLE患者では、正常の野生型と思われる910bpのcDNAフラグメントと比較し560bpも短い350bpのcDNAフラグメントが優位に検出された。この野生型910bpと短い350bpのcDNAフラグメントを比較した結果、野生型mRNAの3'UTRにはsplicing donorおよびacceptor siteと考えられる配列が存在し、短いmRNAはこの部位でスプライシングが起こって560bpがスプライスアウトされ、生成されたものと思われた。 2)ヴァリアントTCRζ鎖遺伝子導入T細胞株の樹立:これらヴァリアントの蛋白発現低下およびT細胞機能に及ぼす影響を検討するため、レトロウイルスベクターにwild型あるいはヴァリアントTCRζ鎖遺伝子を組み込み、TCRζ鎖欠損マウスT細胞ハイブリドーマMA5.8にトランスフェクトして細胞株を樹立した。short 3'-UTR株は、wild TCRζ株に比し、TCRζの表面発現が平均蛍光強度で65.5から24.5へと有意に低下し、同時にCD3ε鎖の発現も38.0から15.1へ低下していた。免疫ブロットによって蛋白合成を検討したところ、short 3'-UTR株のCD3ε鎖はwild株と同等であることが確認され、CD3ε鎖の表面発現低下はTCRζ鎖の産生低下による2次的現象と考えられた。アクチノマイシン処理によってTCRζ鎖mRNA安定性を検討したところ、short 3'-UTR株ではwild株にくらべmRNAの消腿は明らかで、安定性が低下していることが明らかとなった。一方、CD3ε鎖の安定性はshort 3'-UTR株でむしろ亢進し、この安定性低下はTCRζ鎖mRNAに特異的なものであった。 3)BAFF産生異常と、それに及ぼすTCRζ鎖異常:BAFF産生をmRNAレベル、蛋白レベルで検討したところ、正常人T細胞に比し、SLE T細胞で両者とも発現が亢進していた。免疫ブロット法でSLE T細胞に発現されているBAFF蛋白亢進の機序を解析したところ、SLE CD4 T細胞に比し、CD8 T細胞でよりおおくBAFFが発現していた。これらBAFF高産生T細胞では、TCRζ鎖は正常に発現され、BAFFの発現亢進は、TCRζ鎖異常と独立して生じたものと考えられた。
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