研究課題/領域番号 |
14570510
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
滝川 一 帝京大学, 医学部, 教授 (70197226)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 胆汁酸 / 有機アニオン / 胆管結紮 / 黄疸 / 尿中排泄 / 閉塞性黄疸 |
研究概要 |
胆汁うっ滞では、肝内や血中に胆汁中排泄物質が停滞し、これらの物質の尿中排泄は増加する。特に胆管の完全閉塞時には、尿中への排泄が唯一の排泄経路となる。本研究では胆管結紮ラットを用いて、本来効率よく胆汁中に排泄される各種肝指向性物質の排泄が、尿中排泄によりどのように代償されるかを検討した。ラットの胆管を結紮切離し、3日後に実験に供した。再開腹後、膀胱にチューブを挿入し、大腿静脈より各種放射線標識体を投与し、尿を経時的に採取し放射活性を測定した。胆管結紮ラットにおける胆汁酸の尿中排泄(6時間の累積)はタウロコール酸で19.3%、コール酸で16.8%と同程度だった。タウロウルソデオキシコール酸とリトコール酸の尿中排泄は各々12.7%、9.8%と前2者より少なく、タウロリトコール酸サルフェートの尿中排泄はさらに少なかった(2.1%)。pravastatinの尿中排泄(4時間の累積)は胆管結紮ラットで86%と対照(5.5%)に比し著明に増加した。temocaprilの尿中排泄は胆管結紮ラットで51%と対照(22%)に比し増加した。erythromycinの尿中排泄は胆管結紮ラットで49%と対照ラ(1.9%)に比し著明に増加した。vinblastiheの尿中排泄は胆管結紮ラットで18%と対照(7.4%)に比し増加した。以上の結果から、胆管完全閉塞状態においても、胆汁酸は肝臓内に取り込まれ、肝内での代謝を受けた後再び血中に放出され,尿中に排泄されることが明らかとなった。また、ラットではモノヒドロキシ胆汁酸では、タウリン抱合と硫酸抱合されて水溶性になっても尿中排泄の効率は不良であることが明らかとなった。また、有機アニオンやカチオンの胆管完全閉塞状態での排泄も、尿中排泄によって代償されるが、その程度は、物質によりかなり異なっていた。この違いは、これらの物質の腎排泄に関与する各種トランスポーターの胆汁うっ滞時の発現の変化によると推定された。
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