研究課題/領域番号 |
14570517
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
加藤 公敏 日本大学, 医学部, 講師 (90204461)
|
研究分担者 |
根本 則道 日本大学, 医学部, 教授 (80096875)
石井 敬基 日本大学, 医学部, 講師 (20246870)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2004年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
|
キーワード | アミノ酸トランスポーター / LAT1 / COX / カルチノイド / 大腸癌 / 食道癌 / 遺伝子解析 / P-38 mitogen-activated protein kinase / ストレス潰瘍 / 遺伝子発現解析 / 潰瘍治癒 |
研究概要 |
潰瘍治癒過程での、アミノ酸輸送系トランスポーターおよびシクロオキシゲナーゼ(COX1、COX2)との相互関係について検討した。ラット酢酸胃潰瘍治癒過程において、COX2の免疫組織化学的発現は、潰瘍底の肉芽組織の部位や潰瘍辺縁の上皮などにCOX2の発現が増加していた。COX阻害剤であるindomethacinを潰瘍形成後投与すると、潰瘍治癒過程の抑制がみられたが、中性アミノ酸トランスポーターLAT1の発現は、対照群に比較して、より増加する傾向が認められた。LAT1は、PG系に依存せず発現が増加し細胞増殖に関与し潰瘍治癒に関与する可能性も示唆された。人消化管原発カルチノイド(胃、小腸、結腸、直腸)およびそれらの転移巣(肝、リンパ節など)において、COX-1、COX-2の免疫組織化学的な発現を検討した。COX-2は、消化管カルチノイドおよびその転移巣において発現がみられた。COX-2は腫瘍細胞の細胞質にdiffuseに染色され、間質浸潤部の腫瘍細胞にも発現がみられる傾向にあった。一方、COX-1は一部のカルチノイドにおいて軽度の発現を認めるのみであった。また、LAT1の発現も、腫瘍部において中等度以上の発現が認められ、人カルチノイドにおいても、COX-2やLAT1が腫瘍の発育や増殖に対し重要な役割を果たしている可能性が示唆された。また、ラットの大腸癌肝転移モデルで免疫組織化学的にLATIの発現も確認しており、LAT1は大腸腫瘍の進展に関与し、進行大腸癌の有用な予後因子になりうる可能性が示唆された。一方、ヒトの食道癌手術症例での免疫組織学的検討では、扁平上皮癌部で、非癌部に比べて、腫瘍部全体にLAT1の発現が有意に高く、癌の浸潤が深くなるほど、また腫瘍が大きくなるほどLAT1の発現が強くなり、食道癌の増殖、分化、浸潤にもLAT1が重要な役割を果たしている可能性が示唆された。GeneChipを用いたストレス負荷短時間における遺伝子解析において、ラット胃粘膜で熱ショックタンパク質遺伝子や、c-fosなどのprotooncogeneの遺伝子に発現の亢進が認められ、細胞周期に関連した遺伝子群の発現の一過性の誘導や、転写因子活性化や細胞情報伝達などに関与するP-38 mitogen-activated protein kinase(MARK)の発現の亢進もみられた。
|