研究課題/領域番号 |
14570525
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
福田 能啓 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (60148640)
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研究分担者 |
田村 和朗 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (20278823)
小坂 正 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (90330464)
谷田 憲俊 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (30140437)
田村 和民 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (70104247)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2003年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | クローン病 / 遺伝子発現 / バクテリオファージディスプレイ / 炎症性腸疾患 / DNAマイクロアレイ / 抗CDP抗体 / ABCB1遺伝子 / C3435T多型 |
研究概要 |
【目的】クローン病は難治性の炎症性腸管障害を来す疾患であり、原因不明である。若年に発症することが多く、腸管穿孔、狭窄、瘻孔形成などの合併症を併発し、予後不良であり、QOLの低下は甚だしい。食生活の欧米化、すなわち動物性の高蛋白、高脂肪が発症のリスクとしてあげられ、これらの抗原に対する過剰の免疫反応の存在が推定されている。クローン病患者の血中には、健常者血中にみられない抗体が存在し発症または増悪に密接に関与している可能性がある。 【対象・方法】血中の未知の抗体を解析するために、バクテリオファージで作製したランダムペプチドファージライブラリーを用いて、血清をスクリーニングした。クローン病に特異的に存在する抗体に対するペプチドを同定・分離した。クローン病および健常者より採血し、リンパ球を分離し、産生されるmRNAを、DNAマイクロアレイを用いて検討したすなわち、末梢血中のリンパ球等の細胞を分離後、特定抗原の暴露によって産生するmRNAを健常者と比較し、遣伝子発現として評価した (1)クローン病患者10例、健常者10例を対象とした。 (2)早朝空腹時に、末梢血40mlを採血し、血球成分を分離した。 (3)Total RNAを抽出し、mRNAを精製した。 (4)RNAの純度をチェック後、蛍光標識した。 (5)市販のInteliGene Human Cytokine Chip(DNAチップ)を用いて、ハイブリダイゼーションした。 (6)発現した遺伝子をAffymetrix 428 Array Scannerなどを用いてスキャンニングした。 (7)画像解析を行ない、クローン病で特異的にみられる免疫反応応答を分析した。 (8)クローン病の病勢の違い、合併症の相違、病変部位の相違などが、反応性に影響を及ぼすか否かを検討した。 【結果】クローン病10症例、健常対象者10例からヘパリン採血(9ml)し、白血球を分離し総RNAを抽出したところ、クローン病症例と健常対象者の平均抽出RNA量は37.9μg/personおよび29.1μg/personであった。総RNAを電気泳動し、各々の症例に28S、18Sが存在することを確認した。Van Gelderらの方法に従って、T7 RNAを増幅した。4608genesを用いたパネルにおいてmicro array hybridizationを行った。発現した遺伝子をcluster分析し、疾患群と健常対照群とで比較したところ、遺伝子発現が異なるパターンを示した。健常者では変動の見られる遺伝子発現はなく、クローン病では変動がみられた遺伝子発現があり、発現量が2倍以上の13遺伝子を同定した。 【結論】クローン病で特異的に発現している遣伝子群は、病型、病勢と関連性があり、治療に対する反応性の予測や予後判定、さらには病因・増悪因子の解明に役立つと考えられた。
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