研究課題/領域番号 |
14570594
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
永井 義隆 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60335354)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 遺伝子 / 神経科学 / 蛋白質 / 脳神経疾患 / 分子治療 / 神経変性疾患 / ポリグルタミン病 / アミロイド |
研究概要 |
ポリグルタミン(PolyQ)病は種々の脊髄小脳変性症、ハンチントン病などを含む一群の難治性遺伝性神経変性疾患の総称で、異常伸長PolyQ鎖が病的コンフォメーション変移を生じ、難溶性凝集体の形成あるいは病的な蛋白質間相互作用の獲得により神経変性を引き起こすと考えられている。我々はこれまでに異常伸長PolyQ鎖選択的に結合するペプチドQBP1がin vitroおよび培養細胞において異常伸長PolyQ蛋白質の凝集体形成・細胞死を抑制することを明らかにしてきた。 本研究では(1)異常伸長PolyQ蛋白質による神経変性に対するQBP1のin vivoでの抑制効果を明らかにするために、PolyQ病モデルショウジョウバエを用いた遺伝学的解析を行った。ショウジョウバエ複眼に異常伸長PolyQ蛋白質と共にQBP1を共発現させると、PolyQ蛋白質の凝集体形成・複眼変性が著明に抑制されることを見い出した。また神経系ではQBP1の共発現により、異常伸長PolyQ蛋白質による神経変性・寿命短縮の著明な改善を認めた。 また(2)QBP1に膜透過性ペプチド(PTD)を付加して高効率での細胞内導入を可能にし、PTD-QBP1の脳内長期投与によるPolyQ病モデルマウスの分子治療を行った。その結果、PTD-QBP1投与部付近の大脳皮質においてPolyQ凝集体形成の著明な抑制を認めた。 さらに(3)異常伸長PolyQ蛋白質の病的コンフォメーション変移から凝集体形成に至る分子機構、さらにQBP1の結合による凝集阻害の分子機構を解明することを目的とし、円偏光二色性分散計、フーリエ変換赤外分光光度計および電子・原子間力顕微鏡によるPolyQ蛋白質の構造解析を行った。その結果、異常伸長PolyQ蛋白質は溶液状態で経時的にβ-sheetへのコンフォメーション変移を経てアミロイド様の細線維状構造を形成することを見い出した。さらにQBP1は異常伸長PolyQ蛋白質の病的コンフォメーション変移を阻害することで凝集形成を阻害することを明らかにした。 以上の結果から、QBP1がPolyQ病に対する新しい分子治療薬となる可能性を示した。また異常伸長PolyQ蛋白質のβ-sheetへのコンフォメーション変移がPolyQ病の治療標的となることが示唆された。
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