研究課題/領域番号 |
14570597
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
松原 悦朗 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (70219468)
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研究分担者 |
池田 将樹 群馬大学, 大学院・医学研究系, 助手 (50222899)
阿部 康二 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20212540)
東海林 幹夫 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (60171021)
大森 信彦 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (80311421)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / Aβ / ELISA / メラトニン / アミロイド / APP過剰発現トランスジェニックマウス / 血液リポ蛋白非結合型Aβ / ダウン症候群 / トランスジェニックマウス / 治療 |
研究概要 |
アルツハイマー病病態惹起分子と考えられるリポ蛋白非結合型Aβの同定と選択的測定法を確立した。60歳以降の健常人ではこの病的分子種の代謝活性機構が存在し、リポ蛋白非結合型Aβの全血漿中に占める割合が減少した。アルツハイマー病ではこの機能障害が存在し、病初期にリポ蛋白非結合型Aβが増加し、その進行とともに減少した。ダウン症候群ではリポ蛋白非結合型Aβが痴呆発症前のアミロイド早期病変形成に至るまで増加し、脳病変の成熟化とともに減少した。脳内アミロイド沈着のtemporal profileによく対応していた。リポ蛋白非結合型Aβがアルツハイマー病病態惹起分子である傍証を得るため、6例のAD脳と4例の健常者脳をsandwich ELISA (BNT77/BA27 for Aβ40,BNT77/BCO5 for Aβ42)とゲル濾過法、イムノブロットにて解析した。AD脳内のリポ蛋白非結合型Aβはダイマー形成能に富むことが明らかとなり、Aβアミロイド沈着に直接関与する分子種(アルツハイマー病病態惹起分子)はリポ蛋白非結合型Aβである傍証が得られた。一方AD脳脊髄液中ではリポ蛋白非結合型Aβが選択的に減少しており、脳からのクリアランス障害がAD脳病変形成に密接に関わっている傍証も得られた.さらに我々は経口メラトニン療法の有用性をAPP過剰発現トランスジェニックマウスにおいて検討し、脳内アミロイド蓄積量の抑制効果、脳内ニトロ化タンパク蓄積抑制(酸化的ストレス防止効果)及びメラトニン投与マウスでの寿命延長を確認した。これらの効果は、メラトニンが脳内からのAβクリアランスを活性化することにより発揮されることも明らかとなり、今後アルツハイマー病脳内Aβクリアランス促進薬の有力な候補として報告ができ、早期臨床応用を検討している。
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