研究課題/領域番号 |
14570601
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
三ツ井 貴夫 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (80294726)
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研究分担者 |
赤池 雅史 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (90271080)
東 博之 徳島大学, 医学部, 助教授 (10241275)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 活性酸素種 / スーパーオキサイドジスムターゼ / ミトコンドリア障害 / アポトーシス / グルココルチコイド / グルココルチコイド受容体 / 神経細胞 / 筋細胞 |
研究概要 |
我々は、グルココルチコイド長期投与で骨格筋のミトコンドリア機能障害をきたすこと、その障害には活性酸素の過剰産生が密接に関係することを見出した。本研究は、グルココルチコイドが実際に培養神経・筋細胞においても活性酸素の過剰産生とミトコンドリア障害をきたすことを立証し、さらにその作用が活性化されたグルココルチコイド受容体を介したものであるか否か、さらに同受容体がミトコンドリア遺伝子の転写に直接作用したものであるか否かを明らかにすることを目的として計画された。平成14-15年度において、以下の知見が明かとなった。 1)培養神経細胞および筋細胞におけるグルココルチコイドによるミトコンドリア障害の検討 培養神経細胞(SH-SY5Y、TE671)および培養筋細胞(RD、L6)にデキザメサゾン(10^<-5>-10^<-7>M,1h-72h)を添加し、ミトコンドリア機能、膜電位の変化、アポトーシスおよびO^<2->の産生をFACS法にてそれぞれ解析したところ、ミトコンドリア膜電位の低下、アポトーシスの増加および活性酸素の過剰産生がおこり、これらの変化はミトコンドリアにおける活性酸素のスカベンジャーであるSOD-1の同時添加で抑制された。 2)グルココルチコイド受容体の細胞内局在の解析 ヒトグルココルチコイド受容体のcDNAクローンをGFP発現ベクターに導入し、GRF融合蛋白として培養神経細胞・筋細胞に一時的に発現させたのち、この細胞にデキザメサゾン(10^<-5>-10^<-7>M,1h-72h)を添加した時のGFP融合蛋白の細胞内動態を共焦点レーザー顕微鏡で観察した。その結果、グルココルチコイド受容体はグルココルチコイド非添加時にはcytosolに存在するものの、同剤の添加時には同受容体が核に移動した。さらに一部のシグナルはミトコンドリアに局在していることが示唆された。 以上より、グルココルチコイドは培養神経・筋細胞においてもミトコンドリア障害とアポトーシスを誘発すること、その原因として活性酸素の過剰産生が関与していることが示唆された。さらに、グルココルチコイドはミトコンドリアに活性化されたグルココルチコイド受容体を介して、直接作用している可能性が考えられた。
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