研究課題/領域番号 |
14570615
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
岡野 ジェイムス洋尚 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (90338020)
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研究分担者 |
岡野 栄之 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60160694)
赤松 和土 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60338184)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | Hu / RNA結合タンパク質 / 傍腫瘍性脳脊髄症 / p27Kip1 / 翻訳調節 / IRES依存的翻訳 / 神経分化 |
研究概要 |
傍腫瘍性脳脊髄症の標的抗原であるRNA結合タンパク質Huの下流遺伝子の検索を進めた結果、Huはp27Kip1の5'非翻訳領域のUGUUUUGU配列に特異的に結合し下流の翻訳を正に制御していることが明らかになった。またHuがmRNA翻訳機構の重要な構成因子と結合して翻訳制御因子として機能している可能性を考え、組み換えアデノウイルスによるHu強制発現系を使って培養細胞および培養神経幹細胞からHuと複合体を形成する因子の精製を試み、少なくとも6つのタンパク質が全長Hu蛋白質とRNA非依存的に結合することがわかった。この蛋白質のバンドを切り出しMALDI-TOF MASSによる質量分析を行った結果、hnRNPK、NF45、Skb-1であることが明らかとなった。さらに生化学的手法によりこれらとHu蛋白質が直接結合していることが確かめられ、p27翻訳実験およびPC12分化実験系を使ってこれらの因子によるHu機能への影響を検討している。またHuの生体における機能を解析するためHuB、HuDそれぞれの遺伝子改変マウスを作成し、組織学的・生化学的・細胞生物学的解析を行った。HuBノックアウトマウスは生後間もなく死亡し、大脳皮質の発達が野生型に比べ未熟であることが分かった。またHuDノックアウトマウスは胎生期に三叉神経の発達に異常が認められる上、成体マウスは失調様運動障害を呈し、野生型に比べ寿命が短いことが明らかとなった。以上の結果から、極めて似た構造を持つHuファミリーが神経分化の過程でそれぞれ固有の機能を持つことが推測された。今後、これらのマウスの神経幹細胞をニューロスフェアー法により培養し、その分裂能および分化能を検討する。さらに現在HuB/HuDダブルノックアウトマウスを作成する計画に着手している。
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