研究課題/領域番号 |
14570622
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
灰田 宗孝 東海大学, 医学部, 教授 (20208408)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | 光トポグラフ / 近赤外光 / 光路長 / 脳の活性化 / 脳機能測定 / 位相変調法(PMS) / 位相変調法 / 脳内ヘモグロビン / 絶対値測定 |
研究概要 |
平成14年度:光トポグラフと位相変調法による測定装置の感度の違いを調整した。これは両測定法の感度が異なると、光が通過してきた脳内の部位に差が生ずる可能性が有るからである。特に脳内ヘモグロビン量の絶対値測定は光計測における重大テーマでもあり、慎重な評価が必要である。再現性などで若干の問題があり、調整中が完了していない。同一被験者での測定を実際に行い、光トポグラフで得られた結果が、全体として脳内ヘモグロビン量の絶対値としても評価出来る可能性が示されているが、位相変調法の装置の感度が若干低く、更なる調整が必要である。光トポグラフにおいては絶対値が測定できないため、手の運動負荷を加えたときの運動野でのヘモグロビン量の変化を検出し、、そのときのoxy-Hbとdeoxy-Hbの変化のパターンにより、血管の反応性を検討し、内径動脈閉塞などの血管の異常の評価を行ってきたが、位相変調法による測定ではこの運動による活性化によるヘモグロビン変化が若干少ない傾向があった。 平成15年度:日立メディコにより開発された光トポグラフ装置は、光の光路長を測定していないことから、得られたヘモグロビン量は、吸収係数と光路長の積の形で求まる。そのため吸収係数の大きい部位では光路長が短くなるため、両者の積でみている光トポグラフのコントラストの低下をもたらす。そのことを確認するため、浜松ホトニクス社の協力を得て、光り位相変調法(PMS)により、光トポグラフ各プローブ間の光路長(24カ所)を測定し、各光トポ信号の光路長による補正を施した。その結果、光路長は側頭部から頭頂部に向かうに従い、長くなる傾向にあり、その補正により、手の把握運動に対応した脳の活性部位は、光路長の補正をしなかった場合と比べ、より限局した部位が活性化され、functional MRIの結果を参考にすると、より限局した活性部位を示す光路長補正後の光トポグラフ像の方が真実に近いものと推定された。しかし、光トポグラフでは、頭皮、頭蓋骨、脳表、脳といった多くの組織を通過した光を観測しており、この場合の光路長はこれら、すべての組織による寄与の総和である。一方、手の把握運動に伴う脳の活性化を求める処理は、把握運動時の信号から、安静時のトポ信号を差し引いたものであり、この処理により、主として脳実質でのヘモグロビン変化のみをみていることになる。この処理により光トポグラフのコントラスト、分解能の上昇が認められた。
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