研究課題/領域番号 |
14570638
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
高野 博之 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (60334190)
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研究分担者 |
小室 一成 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (30260483)
吉田 勝哉 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (10191579)
永井 敏雄 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (00334194)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 心肥大 / PPARγ / アンジオテンシンII / チアゾリジン誘導体 / ノックアウトマウス / angiotensin II |
研究概要 |
高血圧症、心臓弁膜症、心筋梗塞、内分泌疾患などのさまざまな疾患でみられる心肥大は心不全の前段階と捉えられており、心肥大の治療は心不全の減少に寄与するものと考えられる。ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(Peroxisome proliferator-activated receptors : PPARs)は核内レセプターファミリーに属する転写因子であり、標的遺伝子の転写を調節する。PPARは3つのアイソフォームからなり、心臓におけるPPARγの作用については不明であった。今回心肥大の病態形成におけるPPARγの役割について検討した。 ラットの培養心筋細胞を用いたin vitroの実験において、伸展刺激やアンジオテンシンII、フェニレフリンにより惹起されるANP、BNP、skeletal α-actinのmRNAの増加は、PPARγリガンドのtroglitazone、bioglitazone、rosiglitazoneにより抑制された。また心筋細胞へのアミノ酸の取り込みや細胞表面積の増加も、これらのPPARγリガンドにより抑制された。またマウスの腹部大動脈を縮窄して圧負荷肥大心を作製したモデルにおいて、PPARγリガンドであるpioglitazoneの投与により圧負荷による心重量/体重比や左室壁厚の増加は軽減した。一方、PPARγのヘテロノックアウトマウスでは圧負荷による心肥大の程度は野生型のマウスよりもさらに著明であった。 これらの結果はPPARγが心肥大のシグナル伝達経路に抑制的に作用していることを示唆しているが、この作用機序に関してはまだ十分明らかになっていない。今後の新たな治療法を考えるうえでも、PPARγなどの心肥大を抑制するシグナル伝達経路についての研究も重要になってくるものと思われる。
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