研究課題/領域番号 |
14570639
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
小宮山 伸之 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (80312958)
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研究分担者 |
小室 一成 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (30260483)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | スタチン / アンジオテンシンII受容体阻害剤 / カルシウム拮抗剤 / integrated backscatter / LDLコレステロール / vulnerable plaque / アンジオテンシン受容体拮抗剤 |
研究概要 |
【目的】スタチン、アンジオテンシンII受容体阻害剤、カルシウム拮抗剤の各薬剤が冠動脈プラーク性状に及ぼす影響を血管内超音波法(IVUS)の高周波信号(RF)解析を用いて検討すること。 【対象】経皮的冠動脈形成術(PCI)施行症例のうち術前の血清総コレステロール値が180-220mg/dlの連続80例を対象とした。 【方法】各例ともPCI施行直後にPCI非対象冠動脈枝をIVUSにて観察し、血管造影上有意狭窄のない低エコー輝度プラークを求めた。同プラークにおいてRFを8-bit、500MHzにてサンプリングした。IVUSカテーテルを定速で引き抜きながら断層画像をビデオ記録し対象プラークと血管の容積を求めた。対象症例を無作為に以下の4群に分けた:(1)アトロバスタチン10mg/day投与群20例、(2)バルサルタン80mg/day投与群20例、(3)アムロジピン5mg/day投与群20例、(4)対照群20例。各群症例とも6ヵ月後に同一対像プラークをIVUSで観察し、プラークと血管の容積を測定するとともに、投与前のRFサンプリング部位において同様にRFをサンプリングした。RFからintegrated backscatter (IB)、mean-to-standard-deviation ratio (MSR)、 skewnessの各パラメータを計算し、プラーク容積、血管容積とともに投与前と6ヵ月後の値を比較した。 【結果】(1)投与前の患者背景は4群とも差がなかった。(2)アトロバスタチン群では6ヵ月間でIB、skewnessは有意に増加し、MSRは有意に減少した。プラーク容積、血管容積は減少傾向を示した。血清LDL値は平均35%減少した。(3)バルサルタン群ではIBは増加傾向にあったが、プラーク容積、血管容積は変化しなかった。(4)アムロジピン群、対照群では各RFパラメータ、プラーク容積、血管容積のいずれにも変化がみられなかった。 【結論】アトロバスタチンによるRFパラメータの変化は冠動脈プラークにおける線維成分の増加を示唆しており、スタチンによるプラーク実定化の一機序を示していると思われた。また、スタチンによるRFパラメータの変化はLDL減少の程度と関係があった。
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