研究課題/領域番号 |
14570660
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
廣田 久雄 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30273684)
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研究分担者 |
瀧原 圭子 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (70252640)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | cardiomyocyte / smad1 / gab1 / apoptosis / bcl-xL / bone morphogeetic protein / Stat3 |
研究概要 |
1.心筋特異的Smad1高発現マウス(Smad1 TG)を作成し、虚血再灌流モデルを作成した。Smad1 TG群ではコントロールに比して有意に梗塞サイズが小さく、TUNEL染色とDNAラダー法による検討で梗塞部位のアポトーシス細胞の減少が、ウエスタン法によりcaspase3の活性低下が観察された。さらにSmad1 TGではBcl-xL蛋白の発現が有意に上昇しており、このことがアポトーシス抑制の機序と考えられた。またTGおよびコントロールマウスより左心室を取り出し、それぞれRNAを調整し、Mouse 5K array(5080遺伝子)を用いてDNA microarrayを施行した。2倍以上の発現増強ないしは減少している遺伝子群を約200個同定した。これらの遺伝子群中に直接アポトーシスに関連するものはなく、Smad1-Bcl-xLによる心不全の病態制御における重要性が明らかとなった。 2.LIF-gp130シグナルでチロシンリン酸化されるアダプター分子の一つであるGab1(Grb2 associated binder-1)はPHドメインと多数のチロシン残基を分子内に有し、SH2ドメインを二つ分子内に有するチロシンホスファターゼであるSHP2と結合し、MAP kinaseやPI 3-kinaseなどのシグナル伝達の調節に関わるとされている。Gタンパク質共役型受容体を介して心肥大を来す代表的なアゴニストのノルエピネフリン,エンドセリン,アンギオテンシンIIで培養心筋細胞を刺激してもGab1とSHP2のチロシンリン酸化は全く見られず、LIF-gp130シグナルによって活性化されたGab1とSHP2がその複合体形成を介してMAP kinaseの一つであるERK5の活性化を誘導し、心筋細胞の長軸方向への伸長を制御することを明らかにし、容量負荷による心筋リモデリングへの関与を示唆した。
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