研究分担者 |
河野 浩章 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (30325659)
瀬戸 信二 長崎大学, 大学院・歯薬学総合研究科, 助教授 (00136657)
矢野 捷介 長崎大学, 大学院・歯薬学総合研究科, 教授 (50039864)
山下 俊一 長崎大学, 大学院・歯薬学総合研究科, 教授 (30200679)
|
研究概要 |
【目的】本研究の目的は細胞外マトリックス蛋白のひとつであるオステオポンチン(OP)に着目し、高度虚血、高血糖条件下での心筋細胞、心線維芽細胞における細胞障害にOPがどのように関与しているかを検討することにある。【方法】新生仔SDラット心室筋初代培養系より心筋細胞と継代培養した3代目の心線維芽細胞を分離培養し、(1)5.5mM glucose(2)37.5mM glucoe(3)37.5mM D-mannitol(浸透圧対照)の3群に分けて、それぞれ18%酸素(normoxia)、1%酸素(hypoxia)条件下に処理した。培養細胞よりmRNAを、conditioned mediumより蛋白を抽出し、OPの発現レベルの相違をRT-PCR、およびWestern blotにより経時的に比較検討した。【結果】RT-PCRの結果より、心筋細胞、心線維芽細胞共に、処置後2時間の早期にはnormo glucose, hypoxiaでOPの発現が1.5〜2倍に増加し、high glucose, normoxiaがそれにつぎhigh glucose, hypoxiaでは軽度の上昇にとどまった。24時間後には心筋細胞ではhigh glucoe, hypoxiaついでnormo glucose, hypoxiaとhigh glucose, normoxiaの順であった。一方、心線維芽細胞ではhigh glucoe, hypoxia normo glucose, hypoxia high glucose, normoxia 3群とも約2倍に発現が亢進していた。心筋細胞におけるOPの蛋白レベルでの発現をWestern blotの24時間で比較すると、血糖値に関係なくhypoxiaで約3倍に増加していた。対照として用いたmannitolではglucoseのような反応を示さなかった【考案】心筋細胞においては高血糖自体よりhypoxiaのほうがOPの発現により促進的に働いていた。また、hypoxia初期においては高血糖状態がむしろ心筋代謝の面では心保護的に働いている可能性が示唆された
|