研究課題/領域番号 |
14570681
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 大分大学(医学部) |
研究代表者 |
米持 英俊 大分大学, 医学部, 助教授 (40191671)
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研究分担者 |
小畑 俊男 大分大学, 医学部, 助手 (80169359)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 糖尿病 / アポトーシス / 活性酸素種 / ミトコンドリア / 心不全 / 虚血 / 酸化ストレス |
研究概要 |
糖尿病における心筋細胞障害の機序を明らかにするために、ラット心筋細胞を高血糖状態で培養した。フローサイトメーターで、アポトーシスはSSC/FSC、活性酸素種はDCF、ミトコンドリア内膜電位はRh-123で評価した。 1.高血糖は、72時間までは心筋細胞のアポトーシスを減少させ、その後は逆に、増加させた。この高血糖の作用は濃度依存性であった。この時、心筋細胞の活性酸素種の産生は48時間までは軽度の上昇であったが、72時間後には著名に増加した。また、ミトコンドリア内膜電位は活性酸素種の産生と同様な経過を示した。高血糖によるこれらの変化は活性酸素種の消去剤とミトコンドリアの電子伝達系阻害剤で阻止された。次に、外因性の酸化ストレスに対する反応性は対照群と比較したとき、高血糖72時間群でのみ亢進していた。 2.インスリンの細胞生死に対する効果。 インスリンは血清除去により誘導されるアポトーシスを抑制するが、この作用は培地中の糖濃度の影響は受けなかった。この機序は血清除去による活性酸素種の産生増加の抑制による。 まとめ 1)高血糖はミトコンドリアでの活性酸素種の産生を増加させる。 2)高血糖で誘導された活性酸素種に暴露される時間と量によって心筋細胞の生死が決定される:短期間では生存、長期間ではアポトーシス。 3)外因性の酸化ストレスによるアポトーシスは高血糖で増強される。 糖尿病あるいは耐糖能障害では高血糖自体でアポトーシスが起こると共に、酸化ストレスに対する反応性の増加による細胞死という、異なった機序によるアポトーシスが生じる可能性を示している。この事は糖尿病性心筋症の発症・進展を理解する上で重要な知見である。
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