研究課題/領域番号 |
14570682
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
石川 和信 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (80222959)
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研究分担者 |
矢尾板 裕幸 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (50264544)
丸山 幸夫 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90004712)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | ヘムオキシゲナーゼ / 動脈硬化 / 血管傷害 / マクロファージ / 活性酸素 / 酸化LDL / 血管内皮細胞 / 虚血心筋 / 急性心筋梗塞 / 酸化ストレス |
研究概要 |
HO反応によって産生されるビリルビン・ビリルビン、CO、遊離鉄・フェリチンのいずれが抗酸化能や抗炎症能を発揮しているのかについて血管内皮細胞、マクロファージにおいて検証を試みた。血管内皮細胞ではHO-1の賦活化が酸化LDL、TNF-α、炎症性サイトカインによる血管内皮細胞の活性化や機能不全を抑制しうることを明らかにした。すなわち、HO-1の賦活化は催炎症刺激によるMCP-1,MCSF,VCAM-1等の産生を有意に抑制し、且つ、内皮型NO合成酵素(eNOS)の発現低下を軽減した。この作用はHO-1反応産物の、うちCOではなくビリルビンの作用が主である結果を得た(2002年アメリカ心臓学会で講演)。実際、HO賦活化による摘出大動脈リング標本でのアセチルコリン依存性内皮弛緩反応の改善を動脈硬化血管で観察できた。一方、マクロファージ/泡沫細胞では酸化LDLを取り込み処理する際に発生される活性酸素種(ROS)量がHO-1賦活化により大きく減少するという知見を得た。HOが酸化LDL由来のlipid peroxyradicalの消去に貢献している可能性が高いが、ROS消去にはHO産物の1つであるCOが必須であることが判明した。マクロファージにおける活性酸素種の主たる生成系と考えられるNADPH oxidase各サブユニットへのCOの影響を検討し、その内容に対して2003年のアメリカ心臓学会のポスター発表で優秀賞が与えられた。COの動脈硬化に与える影響については、in vivoモデルでも検討中でApoE欠損マウスおよび高脂肪食負荷したLDLレセプター欠損マウスで形成される動脈硬化病変がCOによりどの様な影響を受けるかを観察し、発表準備中である。HO-1欠損マウス胎児細胞を培養し細胞内の活性酸素種が野生型に比べて3-5倍に増加していること、plasminogen activator inhibitor-I(PAI-1)を含む炎症性遺伝子が賦活化されていることを観察し、この結果に関しても2003年のアメリカ心臓学会で報告し投稿中である。また、研究代表者が留学期間中に作成を開始したHO-1過剰発現マウスを用いた心移植モデルでレシピエントでのHO-1高発現が移植心の拒絶を著明に抑制することが確認された(J.Immunol.2003:171,1572)。
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